円高

100年に一度の危機とは口ばかりですか?
輸出企業、業績が一段と悪化しています。何とかしなくては。
世界的な経済危機による消費の落ち込みが、大きな要因ですが、それ以上に円高による為替差損が響いています。
去年の9月までは、今期(この3月期)の収益予想を過去最高と予想していた自動車大手8社の内、5社が最終赤字に落ち込むなど、輸出企業が軒並みに下方修正を余儀なくされる発表が続いています。
私の苛立ちなのかもしれんが、なぜ、日銀は、円高阻止の圧力を加えないのでしょうか?理解できません。打つ手がないのか?それとも、専門的な、あるいは、そうしない特別な理由があるのでしょうか?
巷間言われるように、「市場の先行きが不透明」を理由に放置するようであれば、辛うじて、最終黒字を予想する企業も、今期は枕を並べて、討ち死に、正規雇用すら維持できなくなるのは明らかです。
私は、日銀の施策について、いつも思うのですが、物事の決め方が三か月は遅い。予想で決めろとは言いませんが、データからしか物事を読み取れない集団になってしまっているのではないかと危惧します。
企業は、この現状、三月末の予想すら困難な状態にあるにも拘らず、予想開示の義務を負っています。
日銀だとて、予想で、施策を講じるべきではないでしょうか。
少なくとも、輸出企業のこの急激な修正、下方要因の円高だけでも、手を打って欲しいと、
自動車関連の下請け企業がひしめく地方に住む、おっさんとしては思うのですが?如何なもんでしょうか。
暗い経済ニュースの中。ここに来て、自動車大手各社の経営スタンス、輸出から国内販売に大きく舵を切りはじめました。その先陣はホンダです。
ハイブリッドカーの正月広告キャンペーン。まずは、グリーンマシーン、エコカーの新発売まで、車購入をしばし待て。と訴えたことです。ホンダがエコカーを出す。なにが出てくるのか?大いに興味を持って見ていたのですが。
2月に入り、そのベールを脱ぎました。その中身は価格。「値段のムダ」を省いて、200万を切った、189万円のハイブリッドカー。コピーには、大きさや重さなどあらゆるムダをとことんそぎ落とし、エコカーを世に広めたい。と。エコ廉価で勝負に打って出ました。
トヨタも、低迷する国内市場へのテコ入れを強化。車に関心の低い20〜30代の女性をターゲットにした「遊び心」満載の「パリの小部屋」をイメージした「おしゃれカー」の宣伝に踏み切りました。
ホンダの低燃費、低価格のシンプルエコカー戦略が、国内市場に火を付けるか。それとも、トヨタの顧客層の拡大を狙った戦術が功を奏し、市場を喚起するのか?広告屋的には重大な関心です。
この2社だけではありません。他の自動車メーカーも国内市場獲得に向け秘策を練っていると聞きます。もう一つの基幹産業である電気関連も、しかりです。
輸出企業各社が、アイディアと技術を駆使して、その生存を掛けて、国内市場での凌ぎを削る戦いが始まっていると言うのに。国の中枢では「100年に一度の経済危機」と、言いながら、口先ばかり。過去の統計にこだわって、後手にまわり、ピント外れの施策しか打てないでは・・・・・・・。
人は、危機に際してどのように振舞うのかで、その人の価値が決まるといいます。
この危機に、政治家は論外として、世界有数の頭脳集団と言われる官僚には、踏襲主義の障壁をぶち破って欲しいものです。
企業人は必死です。命懸けです。責めて、政治家には真剣に内需拡大の施策を講じてもらいたい。日銀には、外需拡大のために、円高阻止の施策を大胆に実行して欲しい。と願っています。
日産、2万人従業員削減の記事に暗い気持ちです。
そんな願いも届かないのでしょうか?歯ぎしりしてます。
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1/30読売新聞 2/10日本経済新聞

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