人事院

7823人もの「心の病」。どう対処しているのか?
岐阜県の県職員組合が、えらい剣幕で、4%の人件費カットに抗議している。
大阪府では橋下知事が財政再建の大ナタをふるい。「府は倒産状態。倒産企業の社員だと認識して理解を」と訴え、大幅カットを断行したのに。
御隣の愛知県も再建団体を免れるため、苦渋の選択として、突然の給与カットを実施したのに。
岐阜県だけは、県庁に赤旗が立つ勢いと報じられている。なにを考えているのか?
景気悪化で、死活問題の中小企業。製造業の合理化で職場から締め出された従業員。おとうさんの収入源で子供の学費捻出にも悩む主婦など。大不況に必死に耐える県民。
それをしり目に、公僕たる県職員が、「血税の取り分」を減らすな。とダダをこねる。
みっともないったらありゃしない。公務員としての矜持はないのか?
賃金を減らされるのに、不快の念をもたない人はいないだろう。しごく当然である。しかし、県財政が逼迫、通常予算が組めない状況も、まぎれもない事実である。それを、承知しているにも関わらず。住民サービスは削除しでも、「職員給与は維持せよ」では、通用しない。
次年度予算を審議する三月県議会が目前。この問題が長引けば、予算編成に影響することは必定。県議会軽視である。このまま、ずるずると、ゴネ得狙いで、カット幅を縮小しようなどとの小細工狙いなら、県民が黙っていないだろう。
新聞報道によれば、手続きに問題があるとのことだが、県民は地方税の落ち込みも激しいのだから、収入が減れば、支出を減らすのは当然。人件費に手を付けざるを得ないことぐらいは、察している。「同情するが仕方ないね」が県民の常識。見くびってはいけない。
信じられないデータが総務省から発表された。07年度、「精神及び行動の障害」で、長期の休職を取っている地方公務員(都道府県など318自治体。警察官や教職員を除く)の数は、十年前に比べ4倍。
7823人だそうだ。医療機関の診断書が添付されての休職。一日も早い快癒を祈るのだが、納税者としては、すんなりと納得できない数だ。因みに、そのデータでは、調査対象76万人のうち、長期休職者は、約1万6千人。率にして2,2%。50人に一人の割になる。
50人に一人の病欠がいる組織が正常な組織だろうか?
どこかに、本質的な甘えがあるのではないか?大いに疑問だ。
公務員の身分は、保障されているのだから、当然、給与は全額支給されていると思われる。
それが、働く側にとっての安心でもありるわけだが、民間では「心の病」のケアーまで保障する余裕はない。残念だが、それが社会の現実だ。
地方公務員の身分保障と直接的に関与がないかも知れないが、このところの人事院総裁の第三者機関であるとの中立性堅持発言。分からないでもないが・・・、
公務員出身者が人事院の総裁では、お手盛りの感は拭えない。おまけに、3名の人事官の内、総裁を除く2名の一人は毎日、朝日、読売、NHK、日経の主要報道機関の退職者が歴任していると聞くと、この国の官僚統治機構は、そう簡単には崩れないと思う。
それとは別物だが、岐阜県職員組合の人件費削減への異常なまでの「ゴネ」。
人事院改革が進まないのと同根のような気がしてならない。
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