ライバル

新聞の役割って、結構重いんですよ。
世の中には、ひとりで努力して、道を切り拓くことのできる強い人もいますが、
大概の人は、弱いもので、誰かの助けを借りて、頑張れるものです。
助けにも色々あり、ライバルもりっぱな助け合いです。
この話題、以前にも書いたかもしれない。ダブったらお許しを。
普通、新聞で全国紙といえば、朝日、毎日、読売、産経をさします。
しかし、全国紙というからには、再販制度(販売料金の一律が認められている)で守られているのですから、北海道から沖縄まで、くまなく、配達されなければ全国紙とはいえない筈です。
それが、800万部(公称)発行の朝日も、1000万部(公称)の読売も、沖縄県では、発行されていません。日経だけは、琉球新報の輪転機でOEM(賃刷)しています。(産経と毎日は朝夕刊発行していない)
ですから、沖縄の人は、新聞といえば、沖縄タイムスと琉球新報のローカル二紙をさします。
この二紙が犬猿の仲で、取材合戦。販売戦争。広告争奪。事業競争とことごとく対立。
その結果、ローカル色豊かな記事や、きめ細かな広告で紙面が飾られ、沖縄の家庭では、どちらかの新聞を購読しなければ日常生活に支障をきたすとも言われています。
沖縄県は、本土と比べ、新聞の未購読世帯一番少ない県です。
購読者を獲得できなければ、全国紙も入り込む余地がありません。ましてや多額の投資をして輪転機を設置することも出来ないわけです。ですから、沖縄で、朝日も読売も印刷されていませんので、読むことが出来ないのです。
沖縄の独特の風土や文化が、守られ、育まれている要因のひとつに、二つの新聞社が、情報提供にしのぎを削る良きライバルであることが貢献しています。
人は一人では生きられない。助け合って生きるしかない。その助け合い方には、ライバルという素敵な関係もあるのだから、世の中は面白いですね。
ただ、沖縄で発行していない新聞を全国紙というのは、沖縄県民に失礼ではないかと思うのですが。
                                           Goto
P1020528.JPG P1020529.JPG
沖縄のホテルでの新聞売りラック。

コメント