旅の宿

常在戦場。因果な時代に生きたものです。
彼の「生」を学生時代に一度だけ聴いたことがあります。吉田拓郎最後の全国ツアーと銘打ってスタートしたコンサート。大阪公演が開始一時間前に中止になったとか。妙に心に引っ掛かります。
還暦を過ぎますと、身体のどこかに故障があったり、持病を抱えている人が多くなります。
人は、それを気力や経験でごまかしながら、生きてゆくものだと、思っています。
元気な時、若い時には、相当な無茶も、一晩寝れば、ケロッと・・・・。
忸怩たる思いですが・・・・・・・。
このコンサートに賭ける彼の思いを語る番組をNHKで見て、テレビ嫌いの彼の心境の変化に驚いたものです。(人は何かを決意したときには、事前に予告するものです。)
その番組での発言に、同世代だから感じたのかもしれません。道は違いますが、自分なりに人生を完結してやろうとの決意と申しますか、執念を感じました。病との戦いの果てが背景にあったのでしょう。
湿っぽい話をしているわけではありません。生き方を考えているのです。
人は、誰も必ず死にます。死なないと思っている老害もいますが。
吉田拓郎最後の全国コンサート。この最後と言う言葉に、ケロッとしない現実との狭間で、もがいた挙句、自分の生き方を問い詰めたのでしょう。時間と相談して。それが、最後の・・と、なった気がします。
「常在戦場」という言葉があります。我々の世代は、スローライフとか、くつろぎ、ゆとり、潤いのあるゆったりした人生には、どうも縁がない。戦場での緊張感が身体に染みついているようです。
因果な時代に、せこせこと生きてきたものだと。吉田拓郎の、最後のコンサートの中止に、わが身を振り返っています。公演は、中断を繰り返しても、最後まで、全うして下さいね。
「旅の宿」で一息入れて。    快癒を祈り。                         Goto

コメント

  1. リミスキー より:

    最近、音楽の話題が多くなりましたね。「拓郎」さんとは好対照なのが昨夜観た「サイモン&ガーファンクル」です。67歳のドームツアーです。まだ東京3回、大阪札幌で各1回のコンサートがありますが、驚く程のパワーです。彼らの楽曲は、フォークで始まり、フォークロックというジャンルで初ヒットしてます。フォーデュオの歌にエレキギターとドラミングを多重録音して発売したらヒットしたのですが、それが名曲「サウンド・オブ・サイレンス」です。フォークにロックの味付けということで、1965~6年頃の話です。ボブ・ディラン、バーズ、ドノバン等、今聴いてもしっくりするような楽曲がいっぱいです。