アボジ

巨星落ちる。偉大なる指導者の冥福を祈る
多くの新聞が、韓国の民主化運動の指導者「金大中」氏の死を悼み、足跡を紹介している。
田舎のおっさんが、隣国の元大統領について、評伝するのもおこがましいが・・・・・・。
彼ほど、信念を貫いた政治家を知らないので、私なりに哀悼の意を表したい。
「軍隊の発想はエネミー(敵)だけ存在し、ライバル(好敵手)というのがない」。東京で拉致される直前、月刊「世界」に投稿された一文。軍国主義を一撃している。(世界は、当時の私の愛読書だった)
71年。大統領選挙で、善戦。その後、交通事故を装った暗殺未遂。拉致後は3年間の投獄、独房生活。軍事政権下では国家反逆罪で死刑判決、執行寸前で・・・・。何度、死線を乗り越えたであろう。
不屈の闘志は果てることなく、再々挑戦で、ついに権力の頂点に上り詰めた。(足を引きずりながら、大統領就任式に臨む映像が胸に残る)
ノーベル平和賞の受賞となった電撃的な北朝鮮訪問。朝鮮半島の悲願、民族の統一を推し進める信念の太陽政策は、まさに民主化運動指導者の真骨頂。道半ばに終ったのには、忸怩たる思いだろう。
98年。小渕首相と交わした日韓共同宣言は、両国の歴史的「和解」。これこそ、太陽政策の具現化であった。日韓文化交流、韓流ブームの源泉である。
韓国のITブーム。IT立国も、獄中で読んだ「万巻の書」から得た構想だと聞くと、
彼は民主化運動に賭ける信念のみの政治家ではないことが分かる。
20世紀後半に、彼のような偉大な指導者を輩出した隣国は幸せである。
それに引き換え・・・・。とは、愚痴るまい。09衆院選は世代交代選挙でもある。必ずや、金大中氏のような、信念と先見性を備えた、若きリーダーが登場することを信じたい。
天国で、朝鮮半島の偉大なるアボジ(お父さん)金日成と金大中が握手を交わし、南北統一について話し合い、地上に平和の「気」を送ってくれることを信じ、金大中氏の冥福を祈る。
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