真の科学者

波紋が巻き起こることは良いことだ・・・・・・。
文系の私としては、とても縁遠い人種である理系の学者。その大家(ノーベル賞受賞者)5名が雁首そろえて、予算の無駄を洗い流す行政刷新会議の「事業仕分け」に注文を付けた。
注文の中身は「知の積み上げが、中断されると、人材が枯渇し、取り返しのつかない事態に陥る。科学技術立国とは逆の方向」だと、いささか、感情的に決めつけている。
私の感覚では、理系の人は物事を感情抜きで、合理的に、いや、冷静に考えることができる人。ましてや、ノーベル賞まで受賞した人たちなら、社会に対してもじっくり物事を考えることができると思っていたのに、以外と、感情をむき出しにするのものだと、驚いている。
彼らの主張はおかしい。いや、世の中がよく理解できていないのか?それとも、研究費が削減されると勘違いしたのか?学界の頂点に立ち、やっと掴んだ地位と名誉を侵害される怒りなのか?私には、なぜ、緊急会見まで開いて、怒りをあらわにするのか?全く理解できない。
とにかく、日本のノーベル賞受賞者の社会常識の無さに呆れている。
私は彼らに問いたい。まず、なぜ事業仕分けが行われていると思うのか?800兆円を超す借金を抱える、この国の財政事情をどのように考えているのか?と。
それに、なぜ、新政権が知の集積継続を中断すると、考えるのか?科学技術立国と逆な方向にこの国が進んでると、言いきれるのか?前政権はどうだったのか?そんな政治家がいたら、いや、そんな政党が、先進国にあるなら教えて欲しい?あまりにも表面的、短絡的な決め付けではないか。
科学を志す人材が枯渇すれば、取り返しのつかない事態になるとの認識だが、科学者である反面、教育者でもある各位の、教育者としての責任は、ないのか?解消のための提案はないのか?
私の認識では、科学者とは革新的でなければ、科学者ではない。彼らのヒステリックな声明の底流には保守的、保身的な姿が見え隠れする。この仕分け、若い科学者たちはどう思っているのだろうか?
たぶん。硬直した科学立国論をぶち壊す良い機会だと、喜んでいるのではないだろうか。鳩山首相の「受賞者の皆さんの、お気持ちが奈辺にあるのか聞いてみたい」とのコメント。私も同じ気分だ。
「真の科学者」は、政治の波紋などに右往左往しないものなんだが・・・・・。
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コメント

  1. ナガラ より:

    全く同感です。
    私は今回の民主党の事業仕分けのやり方を、すごく好意的に見ています。
    国民のお金を使うことに、特定の聖域を存在させては絶対にダメです。
    硬直しきった過去の予算のあり方を見直すのに、なんの遠慮も要らない。
    徹底して今までに溜った、澱とも膿ともいえる無駄の原因を追究して洗い出し、その上で予算の合理的な再構築が必要です。
    大家(ノーベル賞受賞者)も先達の責任として、根拠を含め合理的な説明を積み上げ、逆に現在の予算増を訴える位の気迫が欲しいと思いました。
    今回同じ受賞者の中で益川教授が加わっていませんでしたが、あの方の意見を聞きたいですね…。