電子書籍の時代に・・・・何を抗うのか?
現代の思想家といえば、松岡正剛さん。日本文化を「春夏秋冬」で捉えるのではなく「花鳥風月」で分析するなど、独特の社会観に学ぶ事が多い。そして、本といえば私の頭に浮かぶのも松岡さん。
千夜一夜をもじった、千冊の本を論じた「千冊物語」は圧巻です。
松岡さんは、先般、鳩山総理が書店に立ち寄った折の「指南役」も勤めました。
10年ほど前になりますが、赤坂にある松岡さんの事務所を訪ねて教えを請うたことがあります。
事務所の内装がすべて本で構成されているのではないかと見紛うほどの本に囲まれた部屋の一角で、耳を傾け佇む姿、本と同化したような静かな語り・・・・・。畏敬の念を禁じえませんでした。
私も最近知ったのですが、携帯電話のアイホーンには、200円のアプリ費用を払えば、著作権が切れた小説など8000冊が読めるそうです。夏目漱石の「草枕」を読んでる若者に・・・・・・・驚きです。
そのアップルが、6月に電子書籍端末機「アイパッド」を発売するそうです。
本も紙の束を捲るのではなく、電子機器で読む時代が、訪れたようです。
出版業界は、昨年、市場が2兆円を割り込み、大きなショックに見舞われています
若者の活字離れと街の本屋さんの半減が原因だといわれています。
しかし、一方で、本は再販制度で守られています。その上に胡坐をかいてきたのも現実です。その結果が09年の本の返品率は40%を超えています。ある本の倉庫には常時、4千万冊の本が積み上げられ、毎月、800万冊の返品が届くそうです。
どこかおかしい。この時代、信じられないビジネスといわねばなりません。
本はネットで配信され、端末機で読まれるようになる。私は、想像を絶する速さで、普及すると思っています。従来のビジネスモデルに執着している関係者には、許しがたい出来事だろうと思います。
ペーパーレスの時代が、書籍から忍び寄ってきた現実に、右往左往するのではなく、本の館に静かに佇み、黙々と日本文化を体系づけている現代の思想家松岡正剛氏に教えを請うてはどうかと思うのですが・・・・・・ Goto
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