コスモス

強大な権力に立ち向かう勇気を・・・・・
やっと・・・・なんでしょうか?それとも、季節の巡りで当然なんでしょうか・・・我が故郷の野辺もいろとりどりのコスモスが咲き誇っています。
コスモスは、神のパレット。この世の中にあるすべての色彩は余すところなく、コスモス畑で見つけることができる・・とは・・・神の領域に迫る「不妊治療」と「代理出産」をテーマにした海堂尊氏の小説「ジーン・ワルツ」の一節です。
小説の解説をする積りはない。しかし・・・この国の為政者が少子化問題を本気で考えているならば、ぜひ、この小説を読んでもらいたい。医療行政に身を置く者も、医療界に関わる者も、法曹界に君臨する者も、そして、この国を憂うるすべての人達に・・・・・。
子供が欲しい。子供を育てたいという意思決定は、女性だけに許される特権である。医学の進歩により、自分の体を使うことができなくとも子供を持てるようになった現在、法による規制は何の意味も持たない。ましてや倫理観は人それぞれに違うのだから・・・・
どのような方法で子供を持つかの選択は個々人に任せるべきであると・・・・小説は訴える。政治も行政も、そして法も、進歩する医療の後追いをするのではなく、生まれてきた子供を如何に幸せに育てるかを、考えるべきであろう。
そのように考え方を改めない限り・・・少子化問題の根源的な解決はないと思う。
海堂氏は、医師であり小説家である・・・彼の小説の背景にあるのは、人とはコスモスのように無限の色彩を放つものなのだという人類愛であろう。そして、主人公に貫かれているのは、強大な権力に立ち向かう勇気ある医師達の姿勢である。
我が故郷の政治家が・・・「代理出産」に挑んだ。その勇気を讃える。
・・・故郷の野辺に咲くコスモスを眺めながら・・・・母子ともの無事を心より祈る。          Goto

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