昇龍道

観光客を迎える心意気はあるのか。
観光を産業の柱にする。地方活性化の起爆剤。広告を生業とする我々の出番です。
知恵を出し、地域に足を運び、観光の目玉を掘り起こして、柱を育てねばなりません。
それには、観光産業が如何に重要かを、住民がどの程度、理解するかが重要です。
例えば、岐阜市観光といえば、長良川の風物詩、鵜飼です。
鵜飼漁は、鵜舟の舳先で焚く篝火が、魚を引き寄せ。飼い慣らした鵜を鵜匠が操り、魚を獲る漁です。鵜飼の絶対条件は、漆黒の闇です。長良川は人口42万の岐阜市内を流れる川です。
観光鵜飼の漁場は、金華山の山際を流れますので、街中ではありませんが。堤や橋は車が通ります。サーチライトが嫌でも目に入ります。川面から見える近在の民家も、ホテルも、窓には灯りが。
鵜飼を目当ての観光客には、絶対条件の漆黒の闇を演出しなければ、鵜飼を本当に楽しむことにはなりません。行政もずいぶん努力していますが、なんせ、住民パワーもなかなかなモノ。私たちと観光業とは関係ない。正常な日常生活に不便は止めてと。身勝手です。
これでは、観光産業は育ちません。手間が掛かるのですが、観光産業の需要さを住民に丁寧に説いて、理解してもらう努力が必要です。その啓蒙活動も、広告の仕事だと思っています。
このほど中部運輸局が、中部9県の名所・旧跡を南北に辿る観光ルートを「昇龍道」と名付け、中国や台湾の旅行業者に呼びかけ、観光客誘致をすると発表した。的を絞った案に敬意を表します。
このルート。セントレアから、南は三重県のお伊勢さんを龍の尻尾に見たて、北は石川県の輪島を龍の頭に。東海北陸道を縦断する。龍の胴体が岐阜県ってことになります。陸運局にしては、面白いアイデア。龍はかの国では、縁起が良い。大勢の観光客が訪れてくれればと願います。
問題は、この地方の名所・古跡ではありません。観光地でもありません。漆黒の闇で鵜飼観光客を迎える地域住民の心意気。おもてなしの心です。そこが、おぼつかないのが心配です。
広告会社の出番だと思っていますが。Goto
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1/24朝日新聞

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