地方紙の価値

日本の新聞社は大丈夫だろうか?
米国がくしゃみをすると日本が風邪を引く。バブル崩壊後、米国経済に追従する日本経済への揶揄で、頻繁に使われた表現だが、政権交代後の沖縄普天間基地問題などを田舎町から眺めていると、経済どころか日本は従属国。米国が風邪を引けば、日本は危篤状態になる。
なにも、悲観的にそう分析してるのではない。中途半端な従属国だから、何かに付け、腹が立つのであって、51番目の州になってしまえば、逆に日本州が風邪を引けば、米国全土がインフルエンザに罹ってしまう。だから、日本州には風邪を引かないように手厚く保護するのでは?
いやいや。そんな架空の話をしようと思ってるわけではない。存続が危ぶまれて久しい米国の地方紙。その地方紙に新たな展開が起こり始めた。そんな予感がする日経の記事を読んだものですから。米国事情は、瞬時に日本に伝播する時代。日本の地域社会に圧倒的な影響力を持つ地方紙もうかうかしてはいられないのではと、新聞命の私としては、考えさせられたので。
話はこうだ。米国有数の投資会社バークシャー・ハザウェイ(手元資金370億ドル・保険事業、鉄道、電力会社など、80社を傘下に抱える世界有数のコングロマリット)が昨年、ネブラスカ州オハマの地元紙を買収。そして、先月、米国の地方紙63社を買収。
地域に強い地方紙には価値がある。事業のさらなる拡大に繋がると判断してのことだと。
米国のローカル紙。日本と事情が違い。ミニコミ紙に毛の生えたような規模で数も多い。ネットに移行しつつあるが無料ニュースが大半。苦しい状況が続いているのが現状だ。
投資会社を率いるバフェット氏は「地域の繫がりが強い街では、地方紙ほど重要な存在はない」競合紙がないエリアの新聞社を対象に「今後数年に渡り買収を続ける」と言明。インターネットの無料記事配信についても「より有益なビジネスモデルに変えることができる」と新たな新聞ビジネスモデルを示唆している。
日本の新聞社は強固な宅配体制で維持され、地方紙は戦前の新聞統制時代に一県一紙が確立。米国のローカル紙とはビジネスモデルも。経営基盤も同列にはできないが。部数の減少。ネットの台頭など、くしゃみを繰り返す米国ローカル紙の苦しい現状と類似しているのも現状である。
海外の投資家が日本の地方紙買収に走ることは、ニューズ社が朝日新聞の買収に失敗した例でも明らかなように、あり得ないと思うのだが、経営よりも編集、事業よりも瑣末なニュースを報道することに血道を上げる経営体質では、存続が難しくなる。
米国がくしゃみをすれば、日本が風邪を引く。情けない話だ。少なくとも、第四の権力と言われ、日本社会をリードする新聞メディアが日本の米国従属国化を後押ししてきた歴史を顧みると、米資本に日本の新聞社が買収されるようなことが、起こるかもしれないと危惧しながら、記事を読んだ。Goto

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