300万着足りません

大量生産、大量消費のニュー営業戦略でしょうか?
繊維の街といわれ、戦後の経済復興を支えてきた故郷の基幹産業アパレルが日米貿易摩擦以降、関係者の踏ん張りも虚しく衰退の一途を辿る姿に忸怩たる思いでいます。
しかし、そんな地場産業の苦悩とは対称に、ユニクロや、しまむら、赤のれんといった、新興の衣料メーカーの川上から川下までの一貫したビジネスモデルには、目を見張るものがあります。なぜ、岐阜のアパレル産業は乗り遅れたのだろう。そんな疑問が湧きます。
取り分け、ユニクロの世界戦略と国内での快進撃には、驚嘆してます。経営者の柔軟な発想。独自の理念。徹底した社員教育。それにCSRに取り組む謙虚な姿勢や社会貢献・メセナ活動なども、古い産業といわれる衣料分野でも、決して古くはない。やり方次第では世界的な企業に成長できるのだと学んでいます。
先般の東京出張の折。時間を見つけ、話題のユニクロ銀座店を尋ねました。昔のワシントン靴店のビル?だと思うんですが。4丁目の交差点の近く。多分、ユニクロの全商品が展示してあるのでしょう。11階まで、フロアー毎、ジャンル分けされ、見事なラインナップです。
品揃えだけでなく。レイアウトは芸術的。デザイン性や素材の斬新さ。それに徹底した商品管理。どのくらいのスパンでディスプレーを変えるのかわかりませんが。田舎のおっさんでも一見の価値がありました。
そのユニクロが、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とパートナーを組んで、世界中の難民キャンプに300万着の服を届ける活動を始めました。
冬服は寒い冬を乗り切るため。気温の高いアフリカの国々にはTシャツを。裸の子供が一枚羽織るだけで防げる病気もあるはず、子供服を。と呼びかけています。(写真参照)
この広告。あなたはどう思われますか?
私はユニクロファンです。早朝のウォーキングファッションも、カジュアルなジーパンも、軽装のジャケットも。季節にマッチした素材。極限まで合理化されたシンプルなデザイン。ユニクロの商品です。
確かに、ベーシックで、かつ丈夫で長持ちする商品です。しかし、次々に新しい商品がでますので。買い足します。ですから、タンスの隅で、着ることもなく眠るユニクロ商品も増えてきました。だから、この「全商品リサイクル活動」には、消費者の心理をついています。
でも、よく考えてみれば。ユニクロのビジネスモデルは、大量生産。大量消費です。
人間の身体はひとつ。衣料品を大量消費するには。古いものを始末すれば。新しいモノを買うことができる。だとすれば。この「リサイクル運動」はユニクロのビジネスに最も合致したCSRってことになります。
新手の営業戦略と言っても過言ではないと思います。
凄いですね。大量生産、大量消費のリサイクルを、国際的に組み立てるのですから。私は、着なくなった服をタンスから引っ張り出して(ユニクロ以外のものも)店頭に届けようと思いますが。このニュー営業戦略になるほどと、感心しつつ・・・・
故郷のアパレル業者にもしたたかなビジネスを展開できる人もおられるはずと思っています。Goto

6/23読売新聞

コメント

  1. Goto より:

    そうですね。
    広告的には、旭化成のへーベルの広告手法と似ています。導入を大きな文字で、入り易く、最後まで読ませる手法です。いささか、品位に欠けますが、面白い紙面構成です。バブル崩壊以降、企業メセナが激減しました。それに変わって、ワークアンドバランスとCSRの考え方が台頭。しかし、リーマンショックで、その考え方も萎縮傾向にあります。大手企業の財務内容が良くなっているんですからもう少し、積極的に、CSRに取り組んでも良いと思うのですが、国全体のゆとりのなさが影響しているのでしょう。動きが鈍いですね。その点、ユニクロが突出してます。凄いと思います。Goto

  2. トッティ より:

    ユニクロのCSR活動は他の企業に比べ、なぜか印象が強く記憶に残っています。この新聞の広告見た時に思うのはデザインから何やらユニクロぽっいと感じました。
    アパレル産業同様に岐阜県はもっと喫茶店のモーニング文化を誇れば有名になるのにと思います。