熱燗

滋味の秋。まずは気仙沼の秋刀魚で。
今週も日中は30度を越し。午後には雷がなり、激しい雨が降る。私の感覚では、真夏の夕立ち。そんな気分だが、不思議なモノで。朝焼けに鰯雲を仰ぐと、いつまでも、残暑、残暑、暑い暑いとも言えまい。
今年は秋刀魚の値が高いとのことだが。東北気仙沼では、大震災から立ち上がり、秋刀魚漁がスタート。日々大漁と聞けば、秋刀魚をいただかねばなるまい。近所の生協。鮮魚売り場には、今にも跳ねそうな気仙沼産が並ぶ。刺身が。三枚おろしが。昔は青魚は足が早いと、刺身はなかったのだが。
冷凍技術の進歩。流通の手際良さなんだろう。どれも、新鮮。それに、惣菜売り場でも、秋刀魚づくし。握り。フライにつくね、唐揚げまで、何でもござれ・・。
生の秋刀魚を尻尾で目刺しにして。七輪で炭火焼(ガスレンジですが)。熱々に、頂き物だが、まさに旬の「すだち」(徳島産)をたっぷり絞り。大根おろしで合せ、醤油を少々振りかけて頂く。そして、ちょっぴり甘めの醤油に生姜おろしをたっぷりつけて赤い身の刺身を頂く。脂が乗って思わず「美味い」と。
ここまでくれば。お解り。秋刀魚にはビールも、ワインも似合わない。秋刀魚とくれば。そりゃ。誰が何と言おうと、日本酒。それも、焼き秋刀魚には甘口の日向(ひなた)が合う。刺身には人肌が。三本目からはぬる燗が良い。
日本酒党のおっさんとしては、冷酒も悪くはないがやはり熱燗。それも燗どころが。料理と温もり合致すれば、一段と素材が映える。取り分け、秋刀魚の脂が乗るこの時期。燗どころが悪いと、味わいが半減する。(酒飲みって、うるさいですね)
秋刀魚だけではない。秋は滋味。美味しい素材が溢れる。暑い、暑いなんて言ってないで。巡る季節に感謝して、秋の味覚を楽しもうではないか。日本の味覚。秋の味覚。やっぱり、秋刀魚は気仙沼に限るぜ。落語の世界見たいですね。Goto

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