コドモノクニ

新聞の子供のページに魂がこもっていないと思うのだが・・・・
日経新聞10/14付朝刊の特集「美の美」で「幼児のために本物の芸術を届けないといけないという信念を持っていた」と1922年(大正11年)東京社から創刊された絵雑誌「コドモノクニ」の編集長鷹見久太郎は語っている。
私はこのブログで、再三「NIE(教育に新聞を)」について触れている。
日曜日の中日新聞。火曜日の地元新聞が、NIEを意識してだろう。毎週子供向け紙面を4ページに渡って掲載している。残念だが、おざなりで、瑣末な紙面を眺めていると、子供達に本物を届けようなどという真摯な姿勢は感じられない。
「コドモノクニ」に関わった文学者は北原白秋、西条八十、内田百聞、横光利一。画家では童画の境地を開いた武井武雄や岡本帰一を始め、日本画壇に敢然と聳える藤田嗣治、東山魁夷。
豊かな日本語体験を持った野口雨情、サトウハチローらも新しい言葉で伝えようとした。
絵と言葉を組み合わせた「コドモノクニ」は鈴木三重吉による童謡と童話の雑誌「赤い鳥」が小中学生を対象にしたのと違い、2歳から7歳までの幼児を対象とした。漫画家の手塚治虫、絵本作家のいわさきちひろ、作家の澁澤龍彦、グラフィックデザイナーの堀内誠一らが多大な影響を受けたと言われている。
あの時代も学校教育意識した唱歌があったが、それと一線を隠し子供の五感を刺激したい。芸術性を養いたい。本物を提供したい。そんな思いで、言葉、絵画、音楽を子供に届けたいと心血を注いだ編集者の意図に敬意を表したい。
新聞と雑誌とは違う。同列に並べるには無理があるが。子供向け紙面なら。子供の見ならず。大人も感動する紙面に知恵を絞ってもらいたい。ただ、ニュースや事象を簡易に記事にするだけなら、無用の長物と言えるのではないか。Goto

10/14日本経済新聞

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