さらば、加藤寛先生

経済学の始まりは、すえた臭いのする汚い街を憤る社会情熱である。
「長生きしたかったら肉を食べるな」そんなタイトルの書籍広告が新聞に掲載されている。私の率直な疑問です。長生きしたかったらの。長生きとは、何歳までを指すのか。それが、はっきりしないでは。眉唾ものではないかと思う。
人が健康で老いるにはどうすれば良いのか。巷にあふれる健康本。大方は・ストレスの解消。適度な運動。そして、バランスの良い食生活が大切と書いてあるのであろう。
ストレスなんてものは。現代社会では、何がストレスで、疲労なのか。判別がつかない。医者の方便みたいなモノで。病名が付け難い患者に付る病名程度のものでしかない。ストレス病気であるとすれば、その解決方法は。飽和状態までストレスを溜め込むことであろう。そうなれば、自ら解決せざるを得ない。
長生きする人にストレスが溜まっているなんてことはないから、長生きしているのだと思う。
運動もそうである。人間の身体などというモノは、常に楽したいものである。無理な動きはしたくないし。苦痛は嫌。動かすよりもだらりと弛緩していたいモノ。それに抗う意志と行動力があるかどうか。
運動なんてものは。身体を動かすことなのだから。毎日、定期的に動かさねば意味がない。
体操をする。自転車漕ぐ。散歩する。通販で購入した運動器具を動かすなど、何でも良い。継続することでであって。それができなければ。長生きもできないに決まっている。
私の周りで。85歳過ぎて、尚、現役で頑張っている人(大概は老害だが)は、週に2・3度は肉を食べている。飽食の時代。通常の食事をしていれば。大方の栄養素は摂取できる。強靭な体力はタンパク質を摂取することで養われるのであって。「長生きしたかったら肉を食べるな」なんて全く、無意味だ・・・
長生きは良いのだが。ブログの長いのはいけない。
私は、経済について考える時。いつも思い出すのは、経済学者の加藤寛さんの「経済学の始まりは、みすぼらしい街の汚さと萎びた生活に憤ることによって湧いてくる社会情熱である」(英国経済学者・ピグー)を座右の銘にしているとの言葉だ。
経済学はとても難しい学問で。この国の経済を立て直すために。何をなすべきかの処方箋を、経済学者に問えば。まさに、千差万別。どの説も最もだと思えるのだが。では、実践して見てください。となると。まともな経済学者なんていやしない。
政治の表舞台まで飛び出してでもチャレンジする経済学者となると。私は「すえた臭いのする汚い街に憤る社会情熱」が経済学であり、机上論ではないと。「社会の役に立たない学問が学問ではない」と、率先垂範行動を起こした加藤寛さんしか知らない。
経済学の実践を「社会情熱」で発揮された加藤先生が86歳で亡くなられた。86歳が長いのか短いのか。私はわからないが。先生の大好物がローストビーフと知り、数々の偉業の源泉が・・・長生きには肉ですよね。ご冥福心よりお祈り申し上げます。Goto

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