列島パレット

夕刊は文学的価値の高いメディアです。
夕刊が廃止される傾向が一段と強くなっている。
考えてみれば、昨日のニュースはお出かけ前の朝食時にお父さんが。子供を送り出し、家事を済ませたお母さんがページをめくる、それが朝刊。深夜から翌日の午前中までの出来事はお父さんが夕食を挟んで読み。お母さんは後片づけを済まして開くのが夕刊。
そんな庶民のライフスタイル新聞っていつの時代なんでしょうか。今ではニュースはテレビが主役。朝のワイドショーで新聞の記事が紹介され、お母さんには昼下がりのワイド番組で。高齢者には夕方の報道番組で粗方のニュースはわかる。もちろん、ネットを開けば・・・いつでも話題のニュースが最新で・・・
そんな時代に。夕刊を届ける必要があるのか?と、疑問を感じるのに不思議はない。廃止も時代の流れかも。しかし、最近の夕刊は各社とも、なかなか味がある。発行部数が少ないので日常的に目にする人が少ないでしょうから紹介しますと、毎日新聞夕刊は良いですよ。2面に掲載の特集ワイドはすばらしい。先日、小沢一郎さんの現況インタビューが。
森喜朗さんと鈴木宗男さんの北方四島めぐる対談も、彼らのロシアとの外交姿勢、歴史、経験など本質をついていてなかなかでした。金曜日・朝日の夕刊は文化欄が充実。映画の紹介やbe,eveningでの名作の主演俳優の声を拾うのも読み応えがある。日経の夕刊は16頁で構成。世界の経済状況に朝夕はない。必需情報が満載。それに最終面の「夕刊文化」は奥が深い。
この地方の読売の夕刊は配達されないので分からないのだが。
圧巻は中日新聞。最近の特集で、一面に掲載されている「列島パレット」は圧巻です。今週は、「むらさき」色を題材に「紫のキャベツ」「紫の風呂敷」など、日常と色を生活の中から丹念に選び出し風景や生活様式絡めて丁寧に紹介する。
新聞印刷技術の進歩なんでしょうが。新聞紙面を「色を切り口」に飾るとはなんと素晴らしいことか。思わず写真に見入ってしまう(写真参照)。日頃、仕事から帰って夕刊を手にする。思わず心が和みなす。これぞ、夕刊の醍醐味でしょうか。感動ものです。
夕刊の特徴で、私が捨て難いのは、海外のスポーツ情報です。大リーグ。欧州サッカーなど、朝刊では味わえない。新鮮さがあります。
たまには夕刊も開いてはどうですかと、お勧めはしませんが。
しかし、ライフスタイルと違っているから夕刊には目もくれないとはもったいない。最近の夕刊は、新聞の概念を覆す文学的、芸術的価値の高い読み物だと思います。短にこんな素晴らしいメディアがあるのに、見過ごすとは・・・Goto
 
3月4月中日新聞 夕刊

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