水茄子

深い味わいと紫紺の美しい変化を人生とダブらせ・・堪能させて貰いました。
「旨い」と思わず叫んで「美味い」ともう一度頷き、なんと表現したらいいのだろうか・・口の中にじわっと素材の香りが漂い水分が沁みる・・・「うん」と顎を落とし、その余韻が微かに残る口に・・・切子のグラスについだ冷酒を・・「きゅ」と呑む。
そして、自然に緩む頬を感じながら、静かに「おいしい」と再び頷く。
次は、おもむろに、封を切り、「ぬか床」を丁寧に拭い(水洗いはしない)・・ぬかの風味を感じながら、お尻から手で大胆に裂き(勿論、へたも同時に)・・白磁の鉢に無造作に置く。
そして、これぞ本物の紫紺。紺色の皮の色が微妙に深みを増す・・・その変化する様を眺めながら。冷酒を再び口にする。今度は吟醸酒の残り香が口から消えないうちに、手掴みで、裂いた素材を頬張る。勿論、へたも一緒に。「うん、うん」と二度大きく頷く。そして、もう一つ封を解き・・・戴きたいのだが・・・今日はこれまで・・・
能書には4/25は・・・4/26は・・・・27・28・29にはと・・・「ぬか床」での変化の様が記してある。明日は・・・どんな味に変化を起こしてくれるのか?明後日はと・・・想像しながら。グラスをグイグイと煽る。酒の肴にこんな美味なる漬物はない。
「秋茄子は嫁に食わすな」と申しますが。大阪泉州の土と水で丹精込めて育てられ・・・塩分を30%カットした自然・天日塩により「ぬか床で漬けられた水茄子の浅漬」・・・嫁どころか。誰にも食わすなと、申し上げたいほどの逸品。勿論、家族で美味しく頂きましたが。
「元気で頑張ってるかい」と、今年も「春のたより」に寄せ・・・厳選された「泉州産水なすの浅漬」を尊敬する友から賜りました。奇しきご縁にて友情を深めていただいております。改めて御礼申し上げます。今後ともの変わらぬご指導お願い致します。「水茄子」ありがとうございます。Goto
追伸
次の日の味。その次の味を楽しませて貰いながら・・・
浅漬が日々・・本漬、深漬に変化する様は・・味だけではなく、色も、香りも、そして、瑞々しさも・・深みを増してゆきます。「人生、年輪を重ねるとは、格あるべし」と「水茄子」に教わりました。

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