伝承と創造がバランス良く保たれなければ発展はない・・・
五代目歌舞伎座が新装オープン。こけら落とし公演人気は異常で、来年の3月まで一年間続くそうですが、チケットはほぼ完売状態だそうです。ご同慶の至りですが。松井今朝子さんの「仲蔵狂乱」を読んで、歌舞伎界の裏面に触れ・・・・
「芸事の奥の深さ」に頷きながらも。三代目市川猿之助が演出したスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の原作者・哲学者でもある梅原猛さんが中日新聞の夕刊「思うままに」で、発表されているこけら落とし演目をみるに・・・ほとんだが江戸時代に作られた「古典歌舞伎」・・
それらは江戸時代においては勿論古典ではなかった。当時の歌舞伎作者(仲蔵狂乱でも歌舞伎は作者が重要な役割になっている描かれているが)近松門左衛門、河竹黙阿弥ら書く脚本は・・・斬新な演出・・・次はどんな新作歌舞伎が見られるかと観客は胸を踊らせたものである。
また、明治以降においても坪内逍遥や谷崎潤一郎、山本有三などの小説家も数多くの歌舞伎脚本を書いた。歌舞伎専門の作者として岡本綺堂や真山青果らは近代歌舞伎として古典歌舞伎とともに上演され、歌舞伎の人気を集めたものである。戦後、三島由紀夫の豪華絢爛な作品、現代では野田秀樹が中村勘三郎と組んで生み出した名作もあるが・・・
歌舞伎の将来考えると、江戸時代のように多くの新しい歌舞伎作品の誕生が不可欠であろう。歌舞伎専門の作家が育たない限り、歌舞伎の将来は暗いのではないか。伝承と創造、この二つがバランスよく保たれない限り、芸術の発展は不可能であろう。と述べている。
梅原先生の危惧に頷きながら。
歌舞伎座建て替え中、代替の舞台には立たず舞踊や独自の演劇公演、沖縄の伝統芸能へ挑戦、地方や海外での活躍の道を選んだ現役の唯一の女形人間国宝認定された坂東玉三郎さんは「再開場は喜ばしいことですが、この時期だからこそ将来の歌舞伎のあり方じっくり考える必要がある」
「話題も大事ですが、基本的な芸を大事にすべき。地味な作品もきちんと演じた上で、新しい歌舞伎を作らないといけない」「芸は継承しても道は伝えにくい。芸の道を真っ直ぐに歩み、粛々と修業を積む。その過程で礼儀作法を学ぶもの」と人気先行の若い歌舞伎役者に苦言を呈すのは、まさに正鵠を射ている。
空前の歌舞伎ブームです。玉三郎さんの真摯な姿勢を知るに付け。「仲蔵狂乱」の作者松井今朝子さんのような歌舞伎に造詣深い作家が歌舞伎の脚本書けるような機運を盛り上げれば歌舞伎の将来は・・明るいのではないかと思う。
いや。歌舞伎や古典芸能の世界に限ったことではない。
如何なる業界・産業においても、伝承すべきを伝承せず、新しいものを創造する努力を怠れば、一瞬のうちに滅ぶのだと、肝に命じなければならない。次回の上京の折には時間を見つけ、歌舞伎座を覗いて見たいと思う。あなたもご一緒に如何ですか。Goto
コメント
五月の講演で玉三郎が出るのは、
一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
御殿
床下
〈御殿〉
乳人政岡 藤十郎
沖の井 時 蔵
松島 扇 雀
栄御前 秀太郎
八汐 梅 玉
〈床下〉
仁木弾正 幸四郎
荒獅子男之助 吉右衛門
二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 仁左衛門
吉田屋女房おきさ 秀太郎
阿波の大尽 秀 調
太鼓持豊作 千之助
番頭清七 桂 三
吉田屋喜左衛門 彌十郎
扇屋夕霧 玉三郎
第三部
一、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
鶴ヶ岡八幡社頭の場
梶原平三景時 吉右衛門
梢 芝 雀
俣野五郎景久 又五郎
奴萬平 錦之助
山口十郎 歌 昇
川島八平 種之助
岡崎将監 米 吉
森村兵衛 隼 人
剣菱呑助 彌十郎
六郎太夫 歌 六
大庭三郎景親 菊五郎
二、京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)
道行より鐘入りまで
白拍子花子 玉三郎
白拍子花子 菊之助
所化
一応私の都合の悪いのは、14日25日、31日ですが、五月のチケットは、完売ではないでしょうか。
失礼しました。
小指でした。バッティングセンターで松井並みの豪快な打撃を見たいものです。
では、玉三郎が掛かったのを観に行きましょう。申し訳ありませんが、玉三郎の演目がある日と先生のご都合の良い日とを何日か見繕って頂けませんか。手配します。
Goto
腕でなく 小指ですが これが不便です。
目下リハビリテーション中です。
バットがまだ握れませんが 箸は持てるようになりました。東京へは行けます。
ちなみに、私の好きな役者は、
仁左衛門、玉三郎、菊之助、幸四郎、染五郎です。
ありがとうございます。
腕は如何ですか?
では、快癒されましたら、ご一緒願います。
お誘い申し上げます。
Goto
ぜひ御一緒したいですね。
ところで 真山青果
ですので、訂正されておかれたほうがいいでしょう