易地思之

駐韓大使の「三本の柱」に学ぶ・・・
なぜ、人はそんなにも争うのが好きなんでしょうか。前期高齢者の私としては、何もムキになることなどなにもありもしないのに、なぜこんなに敵愾心を燃やしていがみ合うのか。このところの日韓の不毛な論争に悲しく思います。
今月、離任する韓国の駐日大使が、朝日新聞の「私の視点」に「友情を信じて心を開き合う時」と題して、日韓が新しい家を築き上げるには「三本の柱」が必要との主旨で寄稿しています。じっくり読ませて頂きましたが、いがみ合いを解決する手だての一つとして、なるほど、かくあるべきだと、納得し、勉強させて頂きました。
大使曰く「日本人は植民地時代、名前、言葉、宗教、歴史を奪われた韓国人(私はあえて朝鮮人と言いたいのですが)の心境をどれくらい理解しているのでしょうか。韓国の言葉に「易地恩之」・・相手の立場に立って物事を見る、その視点が日本人にないのではないか」
日本人は歴史を振り替えり韓国人の心を掴むような努力を、韓国は不幸な過去を消し去る努力を、お互いがしたかどうかが求められているのではないか。アジアとの和解は日本がアジアのリーダー役を果たすに求められること。過去と正面から向き合うことこそ「アジアの中の日本になる近道である」と思うのだが・・
今日、地球規模で様々な問題が発生している・・長期的な観点から日韓関係を捉えるべきで、現在的な近視眼的なモノの見方ではなく、地域またはグローバルな視点、即ち、潜望鏡で北アジアの情勢をお互いに見る視点が必要ではなかろうか。
もう一点は、両国の市民社会を連結するネットワークづくりが重要ではないだろうか。世界中何処でも隣国との関係は問題を抱えている。しかし、日韓は資源開発、インフラ・プラント建設など、他国との関係において協業が着実に拡大、深化し、ウイン、ウインの関係を構築するにやぶさかではない状態にある。
であれば、二つの玉はお互い光を照らしあってこそ、自らの美しさをだせるのではないかと、大使は語る。大使の「三本の柱」の真髄を真摯に受け止める度量こそ、我々が持つべきではないかと思う。大使は「易地恩之」で問題の解決をと述べている。この四文字熟語は日本にはないが、その意味は・・最近の日本人に最も欠けている「相手の立場に立って考える」こと。
韓国の駐日大使は・・今月末に離任する。・・・争いに解決の道がないはずなどない・・・Goto

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