「一路」と「つくる」

浅田文学と村上文学の違いはユーモアのセンスにあるのでは・・・・・
浅田次郎さんの小説「一路」を読んだ。江戸時代なぜ、参勤交代があったのか。その歴史的意味合いが理解でき、浅田さんの独特のユーモアが色付けとなって、ページをめくるのももどかしく楽しませてもらった。
村上春樹さんの話題の新作「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」をやっと読み終えた。やっとと申すのは、前回の「1Q84年」も相当苦労して読んだのだが、私の感性では理解不能な描写が多すぎて遅々として進まなかったから。
二つの作品、いや、二人の作家を並べて評価することになんの意味もないのだが。
なぜ、村上作品となると100万部も売れるのか?各申す私も購入者の一人だが・・私の場合は職業柄、話題作には一応目を通すのが責務だと思っているからだが・・・さっぱり理解できない。
色遊びだから、「アカ」「アオ」「シロ」「クロ」が登場するのだが。なぜか「灰色」も。
その「灰色」の親父さんって言うのが、青春時代の回想を子供の口を通じて・・長々と語る意味がわからない。その辺から、私の能力を超えた・・・
つまり、若者の屈折を表現するのが村上文学なんだろうが。青春を題材にするにはあまりにも、村上さんは歳を重ねすぎたのではないか?だから、その帳尻を「シロとクロ」の中間色で誤魔化している気がしてならない。
タイトルに合わせ無理やり「色合わせ」して。無理やり北欧への巡礼でストーリーを結ぼうとする強引さ。その合間に、したり顔で俺は音楽に造詣が深いんだとばかりに、やたらとジャズだのクラッシックの話を挟む。私が音痴で音楽に疎いから感じるのかも知れないが・・・実に嫌味ったらしい流れで、これが、現代の若者の屈折ならあまりにもピント外れでは?
もう一言。主人公多崎つくるの巡礼を促す年上の女性「木元沙羅」・・・なぜ彼女には色がないのか?もしも、彼女の色が、彼女の着ているグリーンのスーツだとすれば、「タイトルありき」の話題先行で実にふざけた小説だと思うのだが。私も歳なのかもしれない。
浅田文学。取り分け時代ものには、周到な下調べと史実に基づいた裏付けがある。参勤道中御供頭の物語に相応しいタイトル「一路」はストレート、こねくり回した色彩がないのが取り分け良い。ぜひ、購読を一路お勧めする。GOTO

コメント

  1. GOTO より:

    コメントありがとうございます。
    村上文学如きにそんなにムキになるな。とは、尊敬する読書家の先輩。そうですね。昨今はメディアのお遊びに乗って買わされているのですから。
    Goto

  2. レモンハート より:

    こんにちは。
    まだどちらも読んでないのですが、
    よくわかる気がします^^
    あえて色をいえば
    ぼくは、青です!
    経営者はみな青です!!
    人生経験を積み重ねて、青の上に灰色がかかろうが、その上に青を何度も塗り重ねた濃い青。
    いつまでも夢を諦めない青だと思います。
    こんな作品がウケるのは
    人生経験の少ない若者なのかもしれませんね。
    一路前進。
    迷わず一路に進む青でいたいです!
    一路、さっそく読んでみます!