日本は他国の侵略を受けたことのない国ですから、人権尊重の歴史が違うんですかねぇ。
このブログで扱うには大き過ぎる問題だが・・・あえてチャレンジして見たい。
スペインの全国管区裁判所(全国的規模事件、国外犯に関する事件を審理する。上訴裁判所は最高裁)がスペイン国籍のチベット亡命人らが「ジェノサイド」(集団殺害)容疑で江沢民元代表国家主席らの刑事告発を審理、5人に逮捕状を出した問題。
中国政府はカンカン。強烈な不満と断固たる反対を表明。両国関係を損なわないようにと、異例の警告を発している。人権侵害について、スペインの裁判所は普遍的管轄権(国家指導者の人道犯罪が当事国で裁かれない場合、第三国の法廷が管轄権を持つ)を原則とする立場に立つ。8年に及ぶ捜査の結果、出頭を求めるに十分な証拠があるとした。
その結果、スペインと犯罪引き渡し条約を締結している国を訪れた場合、逮捕されることになる。日本は締結していないが。ヨーロッパ各国とは締結しているので、訪れると身柄を拘束されることになる。
スペインの憲法では、基本的人権の尊重を「人たる尊厳、その生来の侵すべからざる権利、人格の自由な発展並びに法律及び他者の権利の尊重は政治秩序及び社会平和の基礎である」と定めている。元とはいえ中国首脳に逮捕状。スペイン政府は対中国関係で難しい問題を抱えたことになる。が、裁判所はそんなことはお構い無しに、普遍的管轄権を行使、憲法の基本的人権尊重の立場を貫いた。それを良しとするかどうか・・・
翻って、日本の最高裁は先の衆院選で「選挙区によって投票価値が異なるのは憲法違反だ」と選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で「違憲状態」ではあるが選挙無効の請求は認められない。との統一判断を示した。分かりづらいが、「違憲」ではないとの判決である。
民主主義の原点は選挙にある。その選挙制度で「一票の格差」が2,43倍。誰が考えても平等だとはいえない。不平等であるということは、不平等に甘んじる人達の人権を侵害しているということに他ならない。とすると、スペインと比べるのも乱暴だが、他国の指導者であろうと、人権侵害には毅然たる姿勢で臨むスペインの司法・・・
こんな誰でもわかる人権侵害を曖昧な判決でお茶を濁す日本の司法。法に対する基本的な考え方が違うといえばそれまでだが。日本は法治国家としての歴史。民主国家としての経験がまだまだ、足らないのではと思うのだが。Goto
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