引き際の話

七十にして心の欲するところに従えど、のりをこえず・・・
人生で一番難しいのは引き際であろう。しかし、人間の価値をこれほどまでに見せつけてくれる節目はない。日本男子は武士道の美学があり、その究極が「武士とは死ぬことと見つけたり」であろう。話を広げると収まりがつかなくなるが、権力者の引退について考えてみたい。
東京都知事選に出馬している細川元首相見事に惨敗した。15年前に総理大臣で党首だった権力者が再び表舞台に出てきた・・・引き際をわきまえぬ典型だろう。だが、なぜ彼はそれも承知のうえで老醜を晒したのだろうか?
政治家は三日やったらやめられぬ、それを「タスキ病」といって一度自分の名前が書かれたタスキを掛け、フットライトを浴び、人(支持者)にちやほやされると、それが癖になり、勝っても負けても立候補したがるもの。病気だから簡単には治らない。細川氏の再登場はその典型。引き際の悪さはまさに・・・「タスキ病」が原因だと思う。
朝日新聞の耕論(2/1付)「引き際を知る」で黒鉄ヒロシさんがこんな面白いことを言っている。「名前はあえて出しませんが、大きな組織のトップに居座り続けるお山の大将がいる。しかし、組織の論理で、あんた間違っているとはなかなか言えない」
「これじゃ猿の世界と同じ、トップを辞めさせられない組織は悲劇を招く、下の人たちもわかっているのに、気の毒だ」と天下の大新聞を猿の世界とは黒鉄さんも言い過ぎだが。「やることをやったらやめる。という覚悟が必要」と正論を。
「跋扈している連中はほっておくしかないが、少なくとも年齢制限などルールを作る」しかないのではと組織に君臨する引き際の悪い権力者対策もあるが。これがまた定年制の範疇から自分だけ平気で外す、地元新聞の老害のような例もあるので、これでは全く始末に負えない。
「やることをやったらやめる。という覚悟」は必要だが、引き際の悪い連中はやることが延々と続くのだからいかんともし難い。私の持論だが、引き際の悪い権力者は刺し違える覚悟で引きづり下ろすか。どうせ人間は死ぬのだから死ぬまで待つしかなかろうと思う。
孔子は「七十にして心の欲するところに従えど、のりをこえず」と曰うのだが、日本人が幼稚化したのでしょうか。それとも、自然法則が変わったのでしょうか。引き際すら理解できない高齢者が増えたからではないだろうか。超高齢社会が日本人のネジを外してしまったのではと・・・我が身を振り返る。Goto

コメント

  1. Goto より:

    そうですよねぇ。民主主義って面倒ですねぇ。いや、人間ってとっても面倒な生き物なんですよねぇ。スピードって難しんですが、実は一番速いスピードが地球の回転ではないでしょうか。それが四季でもあります。人間が地球よりも速く回転しますと、死にます。民主主義の進化、スピードを求めてはいけないのかも知れません。Goto

  2. レモンハート より:

    こんばんは。
    原発だけじゃない、消費増税が迫る、貿易赤字に、少子高齢化、社会保障、雇用問題もまったなし。都民が細川・小泉劇場に酔えるわけがない。酔っているのは、この2人だけ。そう感じてましたが都民は賢明な判断を下したみたいですね。原発即反対という意見は尊重しますが、あまりにも、具体策がありませんでした。次は大阪市長選です。橋下さんは、拙速な感じがしますが、言っていることはまさに正論。つくづく民主主義ってスピード感のないめんどうなシステムだと感じております。