死に方

故金子哲雄さんの奥さんの生き方に学ぶ・・・
就活、婚活、終活・活・活・・・最近は何をするにも活ばやり。メディアのレッテル貼りなんでしょうが。毎日新聞2/15朝刊「山をおりる」に掲載された・・・流通ジャーナリスト金子哲雄さん(享年41歳)の奥さんが語る「夫の死に方から学ぶ」を読んで・・死の準備をすることを「終活」なんて軽い表現をしてはいけないと心底思う。
検査を受け「肺カルチノイド」と診断された。この腫瘍は数千万人に一人しか発症しないタイプ。医師は「いま目の前で亡くなっても驚きません」と残酷に。死と向き合った金子さんは「在宅ケアを受けながら仕事を続ける」「休んで欲しいと願うが、自分の生き方を考えて自分で決められる人」と黙認。
そして、亡くなる40日ほど前。葬儀社と打合せて、葬儀の段取り、会葬礼状、納骨堂の手配まで自分で。夫人にも「お世話になった人リストを作成、挨拶文を添えて」「さらにその人たち好みを考え面会場所まで指定」お礼に行くようにと。「死のプロデュース」をキッチリつけて静かに息を引き取ったと。
「自分がいない世界を想定するのは大変なこと。自分の思いを残すだけでなく、残された人が動けるように準備する。生きることと同じくらい、死ぬことは大変なことだと思いました」とも。
超高齢社会、死を意識して生きるべしなどと軽いタッチで「終活」なんて言葉を歩かせる。その影響で、その代行や世話をする業者まである始末。死と向き合う、その尊厳を・・・なにが「終活」だ・・・あまりにも軽佻と言わねばなるまい。
死を迎えたご本人の心構えと態度は立派だが、残されたモノは、その死に方に尊敬の念を抱けば抱くほどに思いは募るもの。金子夫人は、その克服を「ある時、ふと、過去未来から解放された感覚を感じた」・・・人はいつ死ぬか分からない。夫が病気になったのは過去。そう感じて、今この瞬間を生き切ろうと吹っ切ったと。
世の中で死だけがクローズアップされるが「生老病死」はワンセット。夫の死に方から死は一つの通過点に過ぎないと実感している。1年半闘病生活に寄り添った感想だと。彼女は、その経験を生かし、誰もが迎える「その時」の情報提供をサポートする仕事についている。
この度、彼女が「金子哲雄の妻の生き方 夫を看取った500日」を上梓した。
早速購入して「終活」なんてちゃかし流行り言葉で済ませれない現実を学んでみたい。
また、講演もやっておられるとのこと、我が社の「講演会インフォ」で講師をお願いし、「死との向き合い方」を多くの人たちに語ってもらえればと願う。Goto
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