万葉集

山上憶良の声が降ってきた・・受賞作品の深さに思わず・・何度も唸った。
朝日新聞が主催する・・・万葉集の歌を題材に自由な発想で表現した作文や絵画を募集する「第六回万葉こども賞コンクール」の受賞作品を読んで・・・思わず唸ってしまいました。
小学5年男子の作品「河の辺のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢(こせ)の春野は」(春日老)・・を読んで・・家の中庭の椿は四十年前に祖母が植えたもの。祖母は大切に手入れし育て、毎年、花開くのを楽しみにしている。
「OO君、椿は綺麗やなあ。あと何回見えるかな」と祖母は僕に自慢しつつ、椿の美しさと思い出を語ってくれた。春日老も、同じ気持ちだったのでは、と察する。今の人も昔の人も、美しいと思う心は全く変わらないことに、気がついた。・・・と作文に。万葉文化館賞の受賞です。
春日老(かすがのおゆ)は奈良時代の官僚、歌人(大辞林)で万葉集に八首収められているそうな。
小学5年といえば10歳。祖母の美意識と古人の心を見事につないでみせる。私が10歳の頃・・・万葉集なんて・・勿論、今でも・・・思わず唸ってしまう。
作文の部・最優秀賞に至っては、中学3年女子の作品だが、「世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらば」(山上憶良)・・・を憶良は遣唐使一員として万葉グローバル化のトップランナー。なじみのない外来文化を受容し葛藤した憶良は法常識にとらわれずに考える柔軟さや優しさを持つようになったのはそのせいではないだろうか・・
先生に早く進路を決めないと間に合わないと目くじら立てられそうだが、まず知ろう。世の中の動きや原因、いろいろなことを知ろう。矛盾や不合理に悩もう。その後に何かが生まれてくる。そう思ったとき、憶良の声が降ってきた・・・
「色々なものを受け入れて考えればいい。変わってもいい。社会も人も変わるものなのです」と
自我が変化してもいい。新しいものを受容し、深く考えた末なら変化してもよい。万葉グローバル化のトップランナー憶良ですら変わったのだ。
変化を恐れず、平成のグローバル化を乗り超えていこう。憶良のように懐の深い人となり、社会に役立つ人間となるように。・・・・と山上憶良の歌を読み感じ取っている。素晴らしい感性だと思う。他の作品も新鮮な感性や豊かな想像力に溢れている。何度も唸ってしまった。
万葉こどもコンクールを主催する奈良県立万葉文化会館と朝日新聞社に心より敬意を表したい。Goto

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