文藝春秋

塩野七生さんの「日本人へ」、立花隆さんの「日本再生」は必読です。
私が毎月発行日・・・10日ですが・・を楽しみにしているのが、愛読雑誌「文藝春秋」です。3・9月は芥川賞。2月は文藝春秋賞。6月は大宅壮一ノンフィクション賞。7月が松本清張賞。それに12月が産みの親である菊池寛賞と・・・・年間を通じ、文学賞が発表されるのも・・・
文藝春秋の楽しみ。もう何年いや、何十年購読しているのでしょうか。最近の巻頭を飾る立花隆さんの「日本再生」は実に勉強になります。6月号では「疑惑の細胞」と題してSTAP細胞の問題に触れ・・・立花さんらしく「この一件においてなにより重要なのはSTAP細胞(現象)があるかないかの一点・・・
それに比べたら少々の論文不正など大した問題ではない。STAP現象があるとなると細胞生物学の根幹の考え直しが迫られるくらい重要だと思うからだ。論文不正の真偽は差し置いても、STAP現象の真偽の決着はつけて欲しい」「STAP細胞発想の大本はネイチャー論文の共同執筆者のチャールズ・バカンティ博士。彼は論文の撤回を断固として反対している」・・・
と立花氏はそのバカンティ博士の経歴と仕事ぶり触れ、「STAP現象は博士のとんでもない発想の一つ。生命の細胞に極端なストレスを与えて生命の存続に最悪な環境の中で培養したら、細胞はそういう中でも何とか生き延びようと、思いがけないサバイバル能力を発揮し、これまでの細胞生物学では考えられないような再生能力を見せるという論文に基づく」2001年に発表。
「このバカンティ理論が実は小保方さんのSTAP細胞の原点にある。実は最近生命と環境の相互作用をいま一度見直すべきだとの声もあり、STAP細胞検証実験、やるからには先入観にとらわれず、あらゆる可能性を見据えながらとことんやって欲しい」と語る。
なるほど、STAP細胞について、こう考えるべきなのかと、立花さんの視点に納得です。
また「日本人へ」と題して、塩野七生さんが毎月執筆しています。6月号。「いかに失望したとはいえ、肝胆相照らした時期が存在したことを人生の喜びと思い、金はその為の出費であったと甘受する侠気ない奴に・・・失望した」
「借金しただけで政治生命が断たれるような社会は政治そのものを矮小化しかねぬ。借金することからして勇気のいることだが・・その種の勇気も人によっては大胆な政治につながるかもしれない」とみんなの党代表借金失脚問題を両断、実に痛快です。
長くなったが、こんなに面白い内容が掲載されているのに文藝春秋の購読部数が50万部を切ったそうです。なぜなのか。数十年来の読者である私の率直な感想だが。読者層が高齢化しているからと、「健康と死」をテーマにし過ぎてはいないか?オピニオン誌が読者迎合では、塩野七生さんや、立花隆さんが笑ってるのでは?Goto

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