九州場所雑感

大相撲は儀式です。所作の美しさが強い力士をつくります。
大相撲九州場所が終わりました。頑張ってくれるだろう力士を紹介して、場所を盛り上げてみましたが、豪栄道は大関の資格があるかと疑われる5勝止まり(初場所はやってくれると信じていますが)、逸ノ城は先輩達に跳ね返され「負けて知る相撲かな」です。しかし新関脇で8勝は、大器の片りんを見せつけてくれました。
贔屓の日馬富士は休場明けで11番、さすが横綱、貫禄を見せました。速攻相撲を我が物にしました。12番は安定して勝てる老獪な相撲になりました。と、推奨3力士は、大横綱白鵬に遠く及ばぬ結果で終わりました。しかし、白鵬は強いですねぇ。
優勝インタビューで「日本の魂と相撲の神様が32回の優勝を導いてくれた」と語ったのには、思わず頭が下がりました。朝青龍があの様な引退をして、相撲界全体が八百長事件で揺れ動くなか、一人横綱で重責を担ってきた。大相撲ファンとして、彼の努力と精神力に改めて敬意を表したい。
32回目の優勝、おめでとうございます。大鵬と比較して、色々言う先輩達、現役時代はどうだったのかビデオを見てみたいものです。
相撲は儀式です。力士に問われるのは、美しい所作です。勝負は立会いで決まるからといって、駆け引きに拘り過ぎますと「待った」が多くなり、美しさが半減します。時間いっぱいからの緊張感が相撲の醍醐味。嵌めてやろうとする注文相撲は力士の品位を損ないます。白鵬に迫らねばならない横綱鶴竜の豪栄道戦は頂けませんでした。
頂けないといえば、栃煌山。わざと相手を焦らす立会いの駆け引きは見苦しい。それにあの「回し」の締め方も、あれだけ、ギュウギュウに締めていれば、相手は回しを取れません。ルールはないのでしょうが。汚い手口です。地力も付いて大関も狙えます。王道を行く力士になって欲しい。
それから。月曜のスポーツ面に掲載された九州場所の星取り表を眺めていて気がついたんですが。幕内力士の年齢って、30代が多く意外に高齢です。10台で初土俵を踏んで、関取になるまで10年以上かかるんですねぇ。その間にどれだけ基礎稽古を積むか、所作を修得するかですね。厳しい世界だと改めて思います。来年も楽しみな大相撲です。Goto

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