先送り体質

毎月、最終金曜日の朝日新聞が楽しみです。
人は明日に向かって生きるのですが、生きる糧は「明日に希望」があるかどうかではないでしょうか。希望も目標も楽しみもないと怠惰にしか生きられません。いついつ(日にち)にどんなことがある。その日を夢見て今日を頑張る。この状況を乗り越える。そう思って、それを楽しみに生きるのではないでしょうか。
「希望」などと大袈裟でなくても、細やかな事でも、あの日に「そうしたい」という予定があれば、楽しいモノです。私は毎月最終金曜日に楽しみが一つ増えました。昨年の8月、池上彰さんの連載コラム「新聞ななめ読み」で誤報を認めたなら「過ちを改むるに憚ることなかれ」謝罪すべきだと・・・朝日新聞の姿勢を批判・・
コラム掲載をストップした事件。朝日が「掲載を見送った判断は誤りだった」と謝罪、第三者委員会を設置、掲載中止の経緯を調査、結果を公表して、再開を池上氏に要請。池上氏は「多くの読者(私もその一人ですが)から「再開を望む声」や朝日の記者から「朝日を再生させる」そんな熱意と決意に打たれ・・・・
読者の立場から、紙面をチェックする役割を果たそう。記者たちの心血を注いだ記事を評論するのは安易ではできない。批評する私の姿勢も問われている。身のすくむ思いで再開すると述べています。池上氏って素晴らしいですねぇ。
で、再開最初の「新聞ななめ読み」は「コラム掲載ストップ」の原因に言及。日本経済でバブル崩壊後、金融機関が不良債権を「先送り」して抜き差しならぬ状況に追い込まれ、経済を混乱に陥れた。「先送り」の理由は過去の貸し出しを不良債権と認定すると以前の上司の判断の誤りを指摘することになる。
「自分の在任中に問題が起こらねばそれで良い」と先送ったことに全ての原因がある。朝日の失敗もまさにこの日本的企業の先送り体質が背景にある。朝日新聞は過去に金融機関の問題先送り体質を批判してきたのに、自分もまた同じことをやってきた。この自覚と反省から再生への取り組みが始まるのでは・・・と。
朝日の歴代の首脳部がどう責任を感じ、責任を取るのか。池上氏はそこを問うていると思います。朝日新聞はこの池上氏の再開コラム「問題先送り・日本企業典型」になんと応えるのか?・・・と思いつつ、来月の最終金曜日、池上氏がどんな切り口で「新聞をななめ読み」するのか楽しみです。Goto

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