つぶらな瞳

経営環境改善の方途は、誰もがわかっているのに・・・・・
紙面いっぱいに写し出される乳牛の顔。「国産牛乳の値上がりに、理解を」と酪農家の苦悩を訴える・・・ど迫力の広告です。私はリュウマチで右足人工股関節の手術をしました。12年前になります。それまでは、牛乳を飲みますとすぐにお腹を下しますので苦手にしていました。
しかし、丈夫な骨を維持するには、カルシュウムを恒常的に摂取するのが一番だと医師の指示を受け。今では毎朝、1合の牛乳をホットにして。昼も外食をしない限り、コンビニでパックの牛乳を買い求め飲んでいます。薬だと思っていますので、生産地や味には関心がなく義務的に飲んでいます。
継続は力なりだと思うんですが、牛乳のおかげで、定期的に検査する骨密度測定では、20代の数値を示し、リュウマチ因子の異常も見られず、牛乳の効用を実感しています。
酪農業界。農水省の統計では2014年、1万8600戸の酪農家が約139万頭の乳牛を飼育。10年前に比べ戸数で3割超、飼育数で2割が減少。円安で輸入飼料価格が高騰。電気料金の引き上げが追い打ちをかけ経営が悪化。離農が後を絶たないのが現状。昨年バターを2度に渡り緊急輸入したのも国内で十分な量を確保できないのが理由です。
酪農の危機に何ができるかといえば、なんの役にも立ちませんが・・・広告紙面に写し出される牛のつぶらな瞳を見ていますと「安全な国産牛乳を守っていきたい」との切実な訴えが伝わってきます。今日からは、国産牛乳であるかどうかを確認して飲まねばと思います。
政府は第一産業を成長産業のひとつと位置づけています。農業改革がその象徴です。仄聞しますと、北海道の酪農4法人が国から指定された指定生乳生産団体の販売ルートを通さず、適切な販売先を選んで収入の最大化を図る動きなどもでているそうです。
何かを否定して、新たなモノが生まれるとは思いませんが。逼迫した状況の中。大規模化。工業化、飼料の大量仕入れによるコストの削減。労働力の効率化。経営環境の改善に方途はいくつもありません。関係者が危機感を共有して、国の補助を求め、時代に即応した酪農事業に転化するしか道はないのでしょう。
誰もがそれをわかっているのに、そうできない人間の性と申しますか、エゴには弱ったものです。そう思いながら、牛のつぶらな瞳を見直しますと、哀しい気持ちになるのはなぜでしょうか。Goto
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3/10日本経済新聞

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