シンガポール建国の父に学ぶこと・・・…
この偉大なアジアの指導者に「時間軸」というキーワードを学んだ気がします。戦後アジアの三大指導者といえばマレーシアのマハティール元首相。台湾の李登輝元総統。そして亡くなったシンがボールのリー・クアンユー元首相であることは誰もが認めます。
いずれも、植民地から立ち上がり経済的繁栄を遂げ近代国家に導いた偉大な指導者たちです。それぞれの国が抱える事情は違います。その手法や考え方も違いますが、彼らの原点に、戦後の廃墟から世界第二位の経済大国(今は三位ですが)へ、先進国へと復興した日本が手本になったことは間違いありません。
各紙はリー・クアンユー氏の追悼記事を掲載。改めて元首相の足跡と功績を知ることができました。朝日は1人あたりGDPが日本など多くの先進国を抜き、世界屈指になった今、国民の渇望は自由へと傾いている。経済成長のみならず、政治の新たなモデルも探るべきではないかと・・「巨人が残した宿題」を指摘しています。
日経も民主主義と経済発展を両立しなければ、アジアは混沌に戻る危うさを孕む。リー氏が残した宿題は重い。とやはり、リー後を懸念しています。 読売も毎日も一党支配への懸念、所得格差や物価高騰、外国人労働者受け入れへの不満など問題点を指摘しながら、宿題にいかに取り組みむかを注目すると結んでいます。
三年前のリー氏へのインタビュー(日経)。「米国がいくら急いでも、生身の人間が変わるにはそれなりに時間が掛かるもの」とアジア市場改革を迫る米国の外交姿勢に時計の針より早く進めることはできぬと答えています。また、コロコロと首相の首がすげ変わった日本政治には「国の指導者には、たっぷりと時間を与えなくてはなりません」と、日本国民の移ろいの早さを批判。
国づくりの要諦は時間軸にあると考えているのがよくわかります。リー氏が50年の歳月を掛けて作り上げたシンガポール。日本の新聞が論じるような宿題があるとするならば、次なる指導者に時間軸の概念がなければ懸念材料になるでしょう。
しかし、忘れてはならないのは、リー政権が築いた最も重要な特徴は人材育成、即ち、建国の歴史は「人づくり」教育にあるということです。教育は時間が掛かることを熟知していたことにあります。日本を手本とし、日本に追いつけ追い越せと国づくりを進めたシンガポール建国の父は・・・
もはや、日本の新聞が危惧するような宿題など、克服してしまっているのではないか。むしろ、日本がシンガポールに学ぶことの方が多いのではと思うのですが・・・Goto
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