異次元緩和

物価上昇2%になかなか届かない本当の原因は?
原油価格の下落は消費者にとって良いことだ。原油安で物価が思うように伸びない。それが原因で、日銀がデフレ脱却の目標に掲げた「2%の物価上昇」を実現するのが困難になった。それを新聞各紙がどう評価するかを読み比べてみると実に面白い・・・・
毎日は社説で「世界中央銀行が加盟する国際決済銀行は、日本も含む主要38ヶ国を対象に、過去140年の物価動向と経済成長率の関係を調べた結果。デフレが成長率に悪影響を与えるとの相関関係は薄い」と発表した説を立てに、2%目標の旗を下ろしなさいという。
1から2%などと幅を持たせ、達成時期を変え、目標を現実的なものにすべきとも日銀に迫る。デフレ下でも成長率は上がるとは、なんと珍説なのでしょうか。デフレ期に入った国で成長している国が有ろう筈がない。日銀の異次元緩和は、将来のリスクを膨らますだけやめなさいと言いたいのをそんなデータを引っ張り出して論じている。
読売は「2%の物価上昇」の目標達成時期を日銀は「2015年度を中心とする期間」と表現している。厳密には後1年あることになる。「デフレ心理が蔓延していた企業や家計が、毎年2%程度物価が上がることを前提に行動し始めるのはこれから」「中央銀行が物価上昇の実現を強くコミットする必要がある」と日銀の異次元緩和政策を支持するとしながらも・・・
原油安は良いことだ。「ぶれない」日銀を強調するよりも、2%の実現時期を修正しても良いのでは。政府もそう踏んでいるのだからと、変実的な対応を促している。読売の方がぶれているのではと思う。日経は、4/4・一面で、異次元緩和3年目、消費に課題は残るが、円安・株高の好循環実現させた・・・
目標としてきた2%は原油安で遠のいたが、副作用も積もる中、物価上昇が実現しないと、政策そのもの有効性が問われる。「壮大な実験」として世界が注目する異次元緩和。物価目標の期限を迎える3年目・・・試練の1年になるだろうとエールを送る。
朝日は珍しくこの2年間、国際価格は上がり、金利が下がり、円相場は90円から120円に。輸出企業の収益は増加、製造業を中心に業績が回復。株価も2万円を伺い、不動産市場も活況。バブルの様相を呈していると、妙に冷静な分析。
しかし、2%の目標が実現すれば、出口リスクを考えるべきと、金融緩和の手じまいの必要性を説く。まだ、2%へ必死になっているときに、朝日を経済音痴だとは言わないが、出口論とはピントがあってない。と4紙を比較してみると・・・
結局、どの新聞も日銀の「異次元緩和金融政策」の「壮大な実験」の行く末がわかっていないことになるのではないか。私は、消費税アップまでのこの一年が勝負だと思うのだが。物価が上昇しない本当の理由は、消費者に買うものがないことに起因していると思えてならない。Goto

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