レスポンス至上主義に抵抗しているのでは・・・・読売広告賞の選考に思う
第31回 読売新聞広告大賞が発表されました。新聞紙面をここまで大胆に活用、制作費もふんだん(多分)に使えての受賞ではと、若干ですが、僻み根性もでますが、今年はうるさい選考委員連中も満場一致のグランプリ「Apple」さすがにさすがですねぇ。
ベタ誉め委員のコメントから。まさか携帯電話で撮影した写真が新聞の見開きを飾るとは。その意外さに時代性を感じる。クオリティの高さには美しさや商品訴求など、回りくどい説明はない。新聞もビジュアルのみで全体のイメージの表現が求められる時代だといえよう。
グランプリの作品はシンプルに携帯電話を超えて世界を見せてくれた。その写真とセレクトの素晴らしさ。開いた瞬間、鷲掴みにされる。心を遠くへ運んでくれる。新聞を開いたらここまでの彩りで心を動かしてくれる。今だからこそ、この勢いと清々しさを求めているのかも。とベタ誉め。
準グランプリもエールフランスとルイ・ヴィトン。外資系が占めたが、共通は言いたいことをシンプルに絞り込んでいること。新聞って広いスペースがあるからなんでも突っ込めば良いと思っているクライアントのみなさまにはこの結果について少し考えていただけたらと思うとの選考委員のコメントに本音も。
31回を数えるこの賞がどんな変遷を辿っているかはわからないが、昨今、レスポンスがなければ広告じゃない。そんな風潮があります。世知辛い世の中というのか、功利的な時代になったと言うべきか。何れにせよ「広告は社会の写し絵」です。
外資系クライアントが醸し出すシンプルが高く評価された背景には、選考委員たちの、レスポンス至上主義へのささやかな抵抗もあるのではと感じるのは、私のうがった見方でしょうか。広告の芸術性が問われる時代になって欲しいと願っています。Goto
6/10読売新聞
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