戦後70年・濃飛の記

丹念で丁寧な取材。特集記事に新聞の矜持を見た・・・
力作です。心がこもっています。岐阜新聞が一面で組んでいる特集「戦後70年・濃飛の記」のことです。濃飛とは、岐阜県の美濃・西濃・中濃・東濃地区と山間部飛騨地区を表現します。岐阜県の人々と戦争との関わり、あるいは終戦に至る悲惨な戦災の状況を綴った特集記事。
久々と言うのも失礼ですが。実に丁寧に、いや丹念に本気で往時を検証した記事です。編集局が総力を挙げて書いています。現在は第4部で岐阜空襲の模様を体験者を探し出し、徹底取材で、書き込まれています。私は昭和23年生まれ。戦争を知らない世代ですが。
当時看護婦だった老母が、岐阜空襲の前夜、病院にも焼夷弾が落とされるとの情報で、患者達を総出で、金華山の一角を貫くトンネル(鶯谷隊道)に運んだことをよく話して聞かせてくれましたが、そのことも含め記事の脈絡に、なんの軍事工場もない濃飛にも戦火は容赦なく襲う。
そんな記事を日々読みながら、改めて、戦争は無辜の民であろうが許されない非常なものであることを気付かせ、教えてくれる。素晴らしい特集です。反戦だ、反戦だと、声を張り上げなくても、岐阜新聞が一面に掲げる連載特集を読めば、新聞社の心が伝わります。
これぞ、新聞ではないでしょうか。新聞の価値、役割の重要さを改めて、真摯に戦争と向き合う岐阜新聞の特集に学んでいます。今年の新聞協会最優秀企画は、この「戦後70年・濃飛の記」に決まりです。安倍首相の70年演説の前、終戦日、原爆忌の8月以前にこの企画をスタートさせた、岐阜新聞編集局に敬意を表します。Goto

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