金鶴一声

「熊谷守一つけち記念館」を覗いてみようと思う。
「心の欲するところに従えども矩を踰えず」・・・論語
孔子古希にしての曰くです。なかなか蘊蓄があります。
心の欲するままに・・・思いのままに、やりたい放題・・
従えども・・・自由奔放に生きても・・勝手な奴だと言われようが。
矩を踰えず・・・軌道を外れない。正道の中で。あるいは常識の範囲で。
そんな意味だが・・・この「矩を踰えず」の「矩」がなかなか難しい。
「矩」の意味は・・「カネ」模範・垂直であること、直角であること・・辞典
古希を迎えた人やることは、如何に常軌を逸していようが・・・
それが人の道になる・・・そうならねばならない・・・そう理解します。
岐阜県中津川市出身の画家・・熊谷守一は、
初代岐阜市長の三男に産まれ・・絵筆が立ち・・東京美術学校で画力を磨いた。
30歳にして実家に戻り・・5年後に再度上京。
結婚して5人の子を授かったが、極貧の中・・3人失った。
その悲しみから・・「熊谷様式」いわれる独特の作風を編みだした。
晩年は東京・豊島区のあばら家に住み「画壇の仙人」といわれ
・・庭の草花や小動物を描いた。
手元に守一画伯晩年(94歳)の書・・「金鶴一声」(写真参照)がある。
独特の作風・・その流れを組むのだろうか、枯れた文字である。
じっと見ていると・・鶴の鳴き声が聞こえるかのようで、飽きない。味がある。
1977年・97歳でこの世を去った「画壇の仙人」・・
ふと思う・・・画伯の「矩」はいつ自分の中で育まれであろうか。
心の欲するところに従い・・破天荒に生きた画伯・・
いつ・・「矩」を踰えなくなったのだろうか。
来月の26日まで・・中津川市にある・・
「熊谷守一つけち記念館」で遺品の特別展示が催されている・・
中津川市で発行する我が社のハッピーメディア®地域みっちゃく生活情報誌
「maika」スタッフの激励も兼ねて・・・覗いてみたいと思う。Goto
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