綸言汗の如し

「政治で最も大切なことは何か」孔子曰く「必ずや名を正さんか」
私のカバン。もう何年使っているのだろうか。10年にはなるだろうか。
名もない黒い布製で両サイドにチャックが付いていて、中敷のある・・
何の変哲もないカバンだが、肩掛けも付いて実に使い勝手が良い。
最近そのカバンに「ことば選び実用辞典」を入れ持ち歩いている。
毎日書いているブログはタブレットを使いスマホのメールやラインも重宝して
利用させて貰っているが、そもそもが手紙派。
礼状など認める折、そもそもがボキャブラリーが足らないので、
思いが言葉として出て来ない。「うぅーん」と天を仰いでも、何も浮かんで来ない。
そんな時のために、辞書があると便利。この実用辞典の特徴は「580語」が収録され、
約1万語が掲載され、大方の文章には耐えられる。
勿論、それで事足りねば、机上横に鎮座する講談社の「類語大辞典」の
お世話になります。今時、ネット検索すれば、どんな言葉も出てきますが、
でも、ポケットサイズの簡易な辞書ですが、言葉探しでペラペラとめくっていますと、
全く別な素敵な言葉に出会い、ページを止めるのも楽しいモノです。
辞書の話ではありません。政治家の言葉の話です。
論語・・・政治で最も大切なことは何か。子曰く「必ずや名を正さんか」
(言葉を正しく使うことが統治の基本である)・・・言葉の意味が混乱すれば
刑罰など統治は乱れる。人々は正しい言葉に従うものだ。
「綸言汗の如し」・・為政者の口から発せられた言葉は取り消すことができない。
終末国会、激しい議論の応酬になっていますが、安倍さんの「そもそも」の連発には、
言葉の軽さを覚えて仕方がない。「そもそも」の意味は「基本的に」という意味だと、
安倍さんは言うが・・・辞書にそんな意味はない(毎日・5/9)
安易に便宜的に「そもそも」と答弁して閣議決定までしてしまう。
私は何でもかんでも自分の意見と違えば、説明責任が足らない・・・
なんて大メディアの常套句は使わないが、昨今の閣僚、官邸の言葉には、一強の
奢り以前に、「言葉と真摯に向き合っていない」気がする。
その理由が、政治家の資質と申しますか、人間力と申しますか、
幅、深みが欠け、人間の軽さの露呈ではないかと思うのですが、どう思われますか。
カバンの中の「ことば選び実用辞典」がカタカタと動いた気がする。Goto

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