EUとのEPA

願わくば国産のチーズとワインでと思うのだが・・・
米国のトランプ大統領がTPPから離脱した途端、
あれだけ強固に反対していた日本の農業団体が静かになった気がしませんか。
11ヶ国では大したことはないとか、世界最大の農業国がいなければ、
農業崩壊の危機が去ったと思っているのでしょうか。
去年から今年に掛けて、スーパーの棚から、乳酸製品が消えたり高騰したりの大騒ぎが・・
取り分けバター不足は頻繁に起こり深刻である。そんな国内生産不安が原因かも知れないが、
日本とEUとの経済連携協定(EPA)が大枠合意した。
欧州産のバターやチーズなどの乳製品の関税が掛からなくなる。
そうなると、価格が下がる、 日本酪農の危機が一層深刻化するのではないか。
この10年で全国の酪農家は1万戸減少、2万戸を割り込んだ。
生乳生産量も03年には840万トンだったのが15年度には700万トンを割り込んだ。
これでは生乳需要で手一杯、バターやチーズにまで原料がまわらない。
農水省がその都度、緊急輸入を発動するが、日本の酪農をどうするのか。
根本的な解決にメスを入れないまま、個別の経済連携協定が先行して行く。
これでは酪農家の廃業を奨励しているようなものである。
余談だが、EUとのEPA・・・具体的な中身がTPPほどつまびらかではないが・・・
16年の輸入ワイン、チリ産が29%で首位、仏産27%、チリ・日本のEPA発効で、
段階的に関税が引き下げられチリ産が割安になり、シェアを一気に伸ばした。
現在、EUの乳製品には29.8%の関税が掛かっているのが、ゼロになれば・・・
乳製品の伝統、ブランド力の強いEU産に日本市場が席巻される可能性もある。
勿論、EU産のワインもである。
日本酪農を再興させる道は、酪農の大規模化、法人化して、
大きな資本で品質の向上やブランド力を高め、国際競争に勝ち抜く以外道はない・・・
とは誰もがわかっているのだが、なぜか、その道が見えてこない。
なぜ手を打たないのか。
最近、チーズでワインを楽しむことを覚えた私としては・・・
願わくば、国産のワインとチーズでと思うのだが・・・Goto

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