液体ミルク

規制緩和の必要性、よく考えた方が良いと思っています。
ご記憶もあろうかと思います。16年4月の熊本地震の折、
もっとも被害が大きかった地域、西原村、断水が3週間も続いた。
完全復旧は6月の中旬まで長引き、その間、乳幼児の授乳に困った話。
それを聞きつけたフィンランド友好議連(議連の代表は小池百合子現東京都知事)
が動き、北欧では日常的に普及している……「液体ミルク」5000個が
救援物資として送られました。
「液体ミルク」は、粉ミルクと違い、お湯を沸かす必要も、容器を消毒する手間も省け、
授乳に不慣れな男親でも、容器ごと撹拌して封を切れば、そのまま飲ませることができる。
子育て中の親たちにとって、育児負担を軽減してくれるこんな便利なミルクはないと、
評判になった。でも、厚労省は飲ませることを許可しなかった。
なぜ、日本では「粉ミルク」のみで「液体ミルク」が販売されていないのか。
理由は至って簡単。「規格基準がない」からです。
ないのなら自由なハズ。日本のメーカーが勝手に作って販売すれば良いのですが、
安全性の観点から、厚労省が規定する「規格」がなければ製造できない。
だから、製造も販売もできないのです。もちろん、飲ませることも。
でも、外国製品はネットで、購入できる。これって、矛盾してますよねぇ。
で、この利便性に気付いたママたちが厚労省に「規格基準」を作れと、署名活動を展開。
その圧力で、動き出したのですが、まずは「乳児用液体ミルク販売専門家部会」を
省内に設置、必要な要件を満たすための規格基準を定め、省令改正案づくりがスタート。
今年の8月やっとのことで、改正省令が施行され「液体ミルク」が解禁された。
2年ですよ。2年。まぁ。これが役所仕事って言うんでしょうねぇ。
その点、日本のメーカー(江崎グリコ)はどうですか。施行から僅か2ヶ月、
10月には「液体ミルク」の製品化に成功、来春には国内での販売が始まる。
東日本大震災以降、防災への意識は高まり、国家を上げて様々な取り組みが
実施されているときです。ましてや、既に欧米では販売されているのです。
もう一言付け加えれば、子育ての負担を軽減し、女性が活躍できる社会をと、
国策で推し進めているのに。2年ですよ、2年。嘆かわしいと思いませんか。
嘆かわしいついでに、厚労省が渋っていた理由の一つに、
割高になる。飲み残し放置すれば、雑菌が入り衛生面で問題があるからだとか。
「粉ミルク」だって、雑菌は入るし飲み残しは出ます。
割高になるかならないかは、需要と供給のバランスです。
日本栄養士会などでつくる「赤ちゃん防災プロジェクト」は、
乳幼児液体ミルクを災害時の救援物資として備蓄すると発表、
自治体も製品化されれば、備蓄するとのこと、全国的にそうなれば、
コストも下がるのは必定ではないですか。
厚労省に文句を言ってるわけではありません。
世の中には、わけのわからない規制があって、なかなか前に進まない。
規制緩和の必要性を述べているのです。Goto

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