大阪商人

お客さんが何を望んでいはるのか「ええもんを安く」それが基本とちゃいますか。
インフルエンザが大流行です。感染を防ぐにはどうすれば良いのか。
答えがあるようでない。敢えて申せば、湿度と温度が高いとウイルスが死滅する。
ということは、ポカポカ陽気で、長雨が降り湿度が高い春がくればってことに。
現実に、まだ春は遠い。防ぎようがない。では、感染してしまうとどうするのか。
医者に駆け込み、治療してもらうしかない。治療といってもインフルエンザだと
診断されれば、医者が処方する薬を飲むしかない。
製薬ほど日進月歩はない。去年のウイルスと今年のウイルスは多少違うらしい。
それも見抜いて、新薬が開発されている。私は去年、インフルエンザに襲われた、
主治医のもとに。診断グッズで、一発。ハイ、インフルです。これがいちばん効くと、
粉状の薬を鼻から吸引、第一三共の「イナビル」を。数日で全快した。
その前の年まではロッシュの「タミフル」が治療薬としては……
今年はシオノギの「ゾフルーザ」が国内市場を席巻しているようだ、
「1回1錠飲む」だけで効果抜群と人気に。国内シェアの半数を占めた。
シオノギは抗インフル薬市場で後発だが、感染症の研究開発では
半世紀以上の歴史を持ち、抗菌薬「シノミン」(1958)を発売、
ロッシュが世界販売しシオノギの力を示した。88年に新研究所を設立、
抗エイズウイルス薬の研究を始め、抗菌薬から異なる仕組みや大きさを持つ
「ウイルス」の知見を培ってきたことが、インフルの特効薬的効果を持つ、
ゾフルーザ誕生につながったようだ。(日経)
そう聞くと、ウイルスが多少違っても、ゾフルーザの効果が分かる気がする。
製薬業界は、世界市場争奪で再編やM&Aに揺れているが、
シオノギは1980年代には国内売上高で3位だったのが、2000年代には10位、
利益で下位に沈んだ。だが見事に復活した。現在のシオノギは、規模を追わず、
創薬にこだわり業界トップの高い利益率を上げる企業に変身した。
その秘訣は決して難しいことではない。
シオノギは大阪の企業。大阪の商人の教え、基本は患者(お客さん)が
何を望んでいはるのか。それを考え抜くと答えは「ええもんを安く」に
尽きるのではと、トップは語る。
データ。2018年3月期決算。売上高に占める営業利益率33%。
売上は業界10位だが営業利益額は3位、利益率は主要社でトップ、
「創薬型製薬企業」を掲げる1878年創業の異質な製薬会社。
シオノギが「お客さんのため、次、どんな薬を世に送り出すのか」楽しみである。
一つだけ、シオノギにお願いがある。このままでは、豚肉が庶民の台所から消えるかも、
豚コレラの特効薬はできませんかねぇ。Goto

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