平成が「敗北」の元号なら、その責任は誰が取るのだ。
平成が古き良き時代だったのか、それとも歴史に汚点を残した時代なのか、
その評価は100年後、200年後に明らかになるであろう。
今言えることは、私を含め平成の時代に大人だった全ての日本人が、平成を築いたのであって、誰かがこの国に来て勝手に歴史を刻んだのではないことは確かである。
それは、後世どんな評価がなされようと、その責任は、どんな立場であろうと、
我々の責任であることから逃げることができない。そのことを胸に刻んで、
新しい時代を迎えなければならないと、私は思う。
4月末に退任する経済団体の一つ経済同友会の代表幹事は平成をこう総括した。
「平成は敗北の年号であった」と。私はその説に納得している。
そう述べる代表幹事は、自社のトップに就任後「昔に処理すべき不採算事業を
温存した責任はOBの犯罪」と発言したり、労使交渉では「平成も終わるのに
ベースアップは明治、大正の匂いがする。せめて昭和の匂いであって欲しかった」と
昨年の春闘で述べたり、相当の異端児らしい。
彼は何を指して「平成は敗北」と言ったのか。
マクロ経済指標、日本人1人あたりGDP、1989年(平成元年)世界4位。18年26位。
89年世界上位20社のうち日本企業は14社。今ゼロ。トヨタ41位が最高。
私たち日本人はかつて世界に誇った相対的豊かさをゆっくりと、だが、着実に失いつつある。
その原因はデフレと人口減といわれるが、いずれも根本原因ではない。
何が平成の衰退を招いたのか。答えは「企業の活力の衰えである」と代表幹事は。
日本企業がインパクトのある新製品やサービスを生み出せなくなり、
企業と経済の地盤沈下が進んだからであると。
それを数字で示すのが、企業セクターの金あまり。
17年度の企業純貯蓄、33兆円。9年連続で最大の純貯蓄主体となった。
企業がリスクを取って新事業や新設備に投資しなくなったのが根本原因。
これが資本主義であろうかと問う。その通りだと思う。
今日、平成の大晦日に経済同友会代表幹事を退任する。やめる人に辞めるな。
と申し上げるのも、心許ない話だが、平成の責任はあなたにもある。来たるべき新時代に、
あなたはその責任を取らねばならない。最後っ屁は許されないと思うのだが。Goto
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