天声人語脱皮す。

長谷川如是閑が、そうこなくっちゃなぁと、草葉の陰で。
朝日新聞さんにちょっとお聞きします。天声人語の筆者「天声人語子」の話です。
今迄執筆の二人のうち、冨永格氏は4月から海外に赴任されたので、外れたのでしょうが、
もう一人の福島申二氏は4月以降も執筆されておられますか。
それとも、おふたりとも交代されたのか、一人追加されたのか、教えて頂けませんかねぇ。
理由は4月に入って天声人語が朝日らしくなってきたからです。
このところの天声人語って「切れが悪く、内容が脆弱」地に落ちたと思っていました。
我が社では毎朝、日課として「天声人語」の書写を全社員に奨励していますが
もう、止めようかと思っていたのですが。
4月に入って論旨明瞭、ガラリと変わったので、聞いてみたいと思いまして。
そもそも「天声人語」は100年有余の歴史を持ち、朝日の朝日たる所以だと思っています。
「言論の府」朝日新聞、草創の賢人たち西村天因、鳥居素川、内藤湖南らが
「権力に物申し、ぶれることなく弱者の立場にたち」健筆を振るった名物コラムです。
新聞人の範たる長谷川如是閑、大山郁夫、櫛田民蔵、地元飛騨出身の荒垣秀雄などなど、
錚々たる人物が朝日の一面を飾ってきました。
4/25付の天声人語、令和改元1週間を前にして、朝日らしく切り込みましたねぇ。
「国民は泣きながら、ほかならぬ陛下の命令だから、忍びがたいけれども
忍んで負けよう、という。嘘をつけ!嘘をつけ!嘘をつけ!」
われら国民は戦争をやめたくて仕方がなかったではないか」
坂口安吾の「続堕落論」を引用し……死にたくない。戦争なんて早く終わって欲しい。
そう切望していた人々。自分たちでは何も言えず、権威の行動と価値に身を委ね、
自らを欺いていたくせに。何が陛下の命令だから、忍んで負けようだ。
日本人のそんな振る舞いこそが「歴史的大欺瞞」だ。
そうなんです。この狂想曲のような令和礼賛って一体何なんだ。
安吾の語る「嘘つけ!」ではないのか。
投票にも行かず政治や官僚に従い、第2次大戦の戦地への天皇訪問が「象徴への務め」と
美化する国民の姿勢って、大丈夫か。
天皇制という、民主主義とはやや異質な仕組みを介して、
世襲に由来する権威を何となくありがたがり、ときに、よろどこにする
そんな国民の姿勢を少しずつ変えていく時期ではないか。
「おまかせ民主主義に甘えるな」と、国民に向かって、
意を正すべきではないかと、新しい天声人語子は思きり切り込む。
そうこなくっちゃ、天声人語ではないわな。
誰が執筆しているのか、知りたいものです。Goto

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