夕刊一面に思う

朝刊も夕刊までもがゴミの扱い(サラ川柳)
新聞に興味のない人には、ピンとこないかも知れませんが。
夕刊の紙面が様変わりしているのをご存知ですか。
「新聞命」の私です。夕刊の様変わりが夕刊廃止にと繋がらねば良いがと……
一般紙、今でも、ニュースを抜いた抜かれたなんて、取材合戦に命を掛けています。
新聞記者に言わせれば、朝起きて、まず他紙を開く。自分が知らないビッグニュースが、
掲載されているかどうかチェックする。何事もなければ「安堵」するそうです。
「抜かれた」場合。何度も記事を読み返し、天を仰ぎ……「やられたチクショウ」などと、
悔しがり、遅れを取り戻そうと、一目散に現場へ駆け付け、後追いをする。
「朝刊で抜かれたら」「夕刊で抜き返す」それが記者のプライドってものです。
と、私は新聞を理解していますし、新聞の購読者数が減少しようとも
今も「新聞社、編集局の現場は、そんな戦争状態にある」とそう思っています。
それが、どうも違うようです。これも新聞の様変わりなんでしょうか。
東海地方の話です。
夕刊を発行しているのは、朝日、毎日、中日、日経の4紙です。
読売は採算が合わぬと、中部地区に進出した時から発行していませんでした。
新聞通に言わせれば、「朝夕刊が全国津々浦々にお届けできてこそ、
全国紙だ」って仰るのですが、その意味では、毎日は北海道では夕刊を発行していません。
ですから、純粋に全国紙といえば「朝日新聞」を指して言う言葉ですね。
経済紙ですが、日経も朝夕刊、全国に届けています。
その夕刊(5/23付)一面トップを読み比べてみました。
毎日……智亜スキップ 高みへ。(何のことだかわかりません)
来年の東京五輪に初めて採用されるスポーツクライミングの有望選手の紹介です。
中日……「生涯未婚率」を改称。私も知りませんでしたが、「生涯未婚率」って、
50歳まで一度も結婚したことのない人の割合ですって。生涯って言葉は
「50歳以降は結婚できないのか」そんな外野の声に耳を傾け「50歳時未婚率」に
改めるようになるとの記事。へぇ……て思いませんか。
日経……海洋プラ排出、漁業や観光も。海に漂うプラゴミの実態を丁寧に取材、
海洋プラの元凶は、漁業関係者が海に捨てる網や釣り糸の類からですって。
海で生きる人たちが海をいちばん汚染しているなんて?
朝日……1987年から30余年わたって時々の流行や世相を写してきた
「第一生命サラリーマン川柳」を一大特集。なんでと思ったのですが、
発表時期でもないのに不思議です。哀愁を誘ったのか、他に記事がなかったからか。
そうなんです。夕刊が様変わりしたのです。4紙とも一面でニュースは扱わないのです。
編集現場の抜きつ抜かれつつのニュースを追って紙面を作らないのです。
その都度、新聞社が読者に楽しんでもらえそうな記事を充てがっているのです。
これは、これで良いのですが、「新聞命」の私です。率直に申せば
赤字垂れ流しを続ける余裕に敬意を表のですが、夕方に配布される
「夕刊」という新聞の使命役割は終わったのではないでしょうか。Goto

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