AI時代の人材に必要なのは論理力と読解力、そしてコミュニケーション能力。
私が今、もっとも気になる学者は国立情報学研究所の新井紀子教授です。
AI時代をどのように対処すべきか。日本では早くから問題を指摘し、
明解に答えを語れる唯一の学者です。
人工知能が人間の仕事を奪うことが起こりますか。
「進化したAIが人類を支配するシンギュラリティー(技術特異点)は起こらない」
しかし「定型的な頭脳労働の一部がデジタル化され、機械に置き換わるのは間違いない」
「デジタルは数値データの処理に最も威力を発揮するので、銀行や証券、
保険業界への影響はでる」「ホワイトカラーの占める割合が大きな物販の営業部門も
代替される」「生産性の低いプログラミングの会社は整理される」「非常に多くの業態が
再編される。おそらく誰もがこの劇的な環境変化に巻き込まれる」教授の答えです。
若い世代はどう対処すべきか、
「どの職業がAIに置き換わるか誰にも想像できない。どの進路が安全かと考えることは、
もっとも意味がない」「公務員は大丈夫とか、医師なら問題ないといった考え方は
一番ダメな選択方法である」ではどうすれば良いのか……
教授は明解です。「どんな状況でも、常に求められるのは有能な人材、
基本的なスキルが高い生産性の高い人」そんな人材が求められる。
煎じ詰めると「読解力と論理力、そして他人と働くのですからコミュニケーション能力」
「この3つの基本さえできれば機械との競争には負けない。機械は意味を理解できないから」
「先が見えない時代だからと焦る必要はない」と。大いに納得です。
岐阜にある「朝日大学」では、正解のない社会問題に真摯に取り組む授業が、
大友学長肝煎りで各学部の一年生全てを対処に行われている。
近代日本最初の公害事件「足尾銅山鉱毒事件」を始め「水俣病被害」を取り上げる。
他にも「米軍基地問題」東日本大震災後の「原発問題」などなど、逃げない。
学長曰く「社会問題について、異なる意見があることを、学生に見せる授業になっている
正解のない問題に対して、自分の意見を構築していく力を育みたい」
同時に「新聞精読も奨励」新聞を読み、世の中の動きに関心を持ち、人生の目標や
キャリア形成に役立つと。
自分の意見を持つことで「論理力」が身に付き、新聞を精読することで「読解力」が
深まる。スキルはそれぞれ学部で習得するとして、新井教授のいわんとする、
読解力と論理力を新聞の力と社会問題に向き合うことで身に付けるのは賢明な指導方法だ。
問題は「コミュニケーション能力」をどう養うか。
大友学長が自ら学生の先頭に立って「学生と本音をぶつけ合う」
そこに、人間の熱さが漲る。コミュニケーション能力とは人への思いだからと。Goto
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