病院がいらない?

医療費が膨らむからと、弱いところをいじめても解決などしない。
厚労省という中央省庁は、どこを向いているのでしょうかねぇ。
厚労省は全国にある市町村などの公立病院と赤十字病院の25%超にあたる
424の病院が「役立たず」だから「統廃合せよ」つまり廃院せよと……
病院名を公表しました。
理由。診療実績が少ない。非効率な医療を招いている。医療財政を圧迫している。
廃院しなければ、来年の9月までにベッド数や診療機能の縮小も含む
再編を地域で検討し対応策を提示せよと。なんと上から目線でしょうか。
ことの本質は医療費が2018年度、42.6兆円。もうこれ以上増え続けては、
とてもじゃないが、国家財政がもたない。「役立たず」で金食い虫の
病院は潰してしまえ……そんな乱暴な話です。424病院、この数字に意味が
あるとは思わないが、厚労省の担当部署、「42で死に」なんて思っていたら、
それこそ現場を知らない机上論ではないか。
私に言わせれば、公立病院であれ、日赤であれ、病院を建設する許認可は、
最終的に厚労省です。人口構成で最も多い団塊世代が75歳を迎え、
病院が、ベッドが足らないといわれている時期に「減らせ」とは。
そもそも粗製乱造許可したのは誰なんだと問いたい。
公的病院の経営が悪化している理由は色々あるでしょうが、
根本は一つです。病院長である医者が経営しているからです。
そもそも経営とは厳しいものです。赤字を垂れ流すことなど許されません。
民間なら即刻に「クビ」です。それが、公的病院の場合、信じられないのですが、
公的ですから、最終的には市町村からの補助金でなんとかなると思っているからです。
冗談じゃない。病人を助ける場所だから、赤字でも……なんて。
寝ぼけたことを言ってるんじゃない。そんなことが許されるのは、
医者が経営者だからです。厚労省も赤字病院は潰すと恫喝掛ける前に、
民間の経営手法を取り入れろと、指導すべきじゃないですか。
それと、批判を恐れずに申しますと、公的病院に廃院を迫るのは、
弱いものいじめです。医療費を抑えるのは、診療報酬を引き下げること、
薬価基準を引き下げ、薬品資本の暴利を削ぐこと。医療費負担を増やすことに尽きます。
そこに大幅なメスを入れない限り、医療費を削減することなどできないでしょう。
医療の殺生与奪権を一手に握る厚労省が、弱いところだけ、いじめてみても、
解決の本質にはほど遠いと思います。Goto

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