町中華

飲食店がなくなると町の灯は消えます。
昭和の面影を残す庶民的な中華料理店。あなたの町にもありますよねぇ。
「街中華探検隊」と称して、中華料理店を訪ね歩く動画がネットにアップされ、
「町中華」が話題になっています。(朝日から)
「街中華」となると、横浜とか長崎の中華街がイメージされますが、
この探検隊が訪ね歩くのは、町の片隅にある「中華食堂」で……
こんな条件をいくつかを満たしている店のこと。
1、戦前から営業している。
2、戦後、地方から食を求めて都会に出てきた人たちが始めた。
3、旧満州からの引き揚げ者が戦後に開いた店。
4、千円以内で満腹になれる。
5、麺類、飯物、定食など多彩な味提供する。
6、チェーン店ではない。店主の人柄も味のひとつ。
あるあると思い起こしませんか。いや、あったなぁなんて哀愁を込めて……
私は岐阜市に住んでいます。県都ですと、胸を張りたいのですが、
日本中どこの市町でも起こっている……商店街はシャッター通り、
町中の家々は空き家か、空き地と化す状況にあります。
(もちろん、こうなった責任は、この街に暮らす私にも責任がありますが)
我が社が発行する「地域みっちゃく生活情報誌」のメインは飲食店の紹介です。
条件に合致する「中華食堂」ならお任せ下さいって、これは胸が張れます。
この「町中華探検隊」に教えてあげたい、いやコラボしても良いかな。などと思っています。
私が子供の頃、近所に二つの「中華そば屋」があり、お互い競い合っていました。
一軒は「丸信」。定番は「ワンタン」と「餃子」と「ラーメン」(支那そばと)です。
もう一軒は「丸満」。定番は「天津飯」と「中華そば」です。
寄り合って「既製服縫製」の内職をする「お母さん」たちのために、
大きな岡持ちを下げ、自転車で配達も。どちらの店が美味しいか、
口かさの多い、お母さんたちの口論の的になっている便利なお店でした。
残念ながら。両店とも今はありません。
理由は、ひとつです。チェーン店に侵されたからでも、
お客さんが減ったからでもありません。いずれも後継者がいなくなったからです。
「町中華」をなくしたくない。「町中食堂」の灯を消したくない。
町に飲食店が消えれば、町は衰退の一途を辿ります。何とか守りたい。
そんな思いも込めて、私たちは「地域みっちゃく生活情報誌」の柱に
飲食店を据えています。Goto

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