今日から、阿川佐和子さんが読売新聞に連載小説を。
台風19号の猛威。凄まじです。
1977年(昭和52年)長良川の決壊を知るものとして、
謹んでお見舞い申し上げます。
新聞に連載される「新聞小説」って読まれますか。
エッ………「新聞も読まないのに、小説なんて」ですって。
トホホホホ。そりゃ失礼致しました。
じゃぁ。今日のブログは話題性なしってことですね。
でも、敢えて取り上げて見ます。
そもそもですが、なぜ新聞に連載小説が掲載されているのでしょうか。
日本で最初に小説が掲載されたのは1875(明治7)年の平仮名絵入新聞、
前田香雪の「岩田八十八の話」だそうです。
世界で新聞に小説が掲載されるのは19世紀のフランスと日本だけ。
米国や他のEU諸国では滅多に掲載されません。
原稿数は1200から1600文字で、100から300回連載されます。
その意味では「日本の独自文化」ではないでしょうか。
掲載の目的は、もちろん、読者獲得の有効な手段だったからです……
明治の時代、名だたる作家が競って執筆、名を馳せ大正時代には
新聞の激増に伴い通俗小説や時代小説の分野が花開き……
政党新聞では、政治小説なども盛んに掲載されるなど、近代文学の発展に貢献しました。
かく申す私も、「新聞命(しんぶんいのち)」です。連日6紙の新聞に
目を通しますが……新規掲載から2、3回読んで、面白くないと思うと続けて
読む気がなくなります。その意味では、NHKの朝の連ドラと似ています。
過去に印象的だったと申しますか。衝撃だったのは、日経に掲載された、
渡辺淳一さんの「失楽園」でしょうか。あれには、世のおっさん連中が
「びっくり」しました。それと朝日が100年前の新聞小説として、
夏目漱石の「こころ」が再連載されたのも、新聞小説を改めて見直す切っ掛けでした。
今日からですが。私の好きな作家といって良いのでしょうか。
コラムニスト、あるいはインタビュアー、最近では女優業も熟す、
マルチ人間、阿川佐和子さんが、読売に「ばあさんは15歳」という
連載小説をスタートさせます。
ストーリーは読み進んでゆけば良いのですが。
祖母と孫の掛け合いを軸に、来年開催される東京五輪のタイミングで、
1963年第一回東京五輪当時の東京と今とを比較しながら、
「便利さとは」を問い掛ける異色の物語だとか。
阿川さんは、彼女独特の言い回しで「訴えたいメッセージなんてないですよ」
「ただ、便利さに慣れてしまうのはこういうことなんだと、ふっと気付いてもらう
きっかけになれば」と。こりゃ、読まにゃなるまいて。
連載は第2回東京五輪まで続くそうです。新聞再興の夢を乗せ…*
できれば一緒に佐和子ワールド楽しみませんか。Goto
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