読書週間

出版物は「思索の食料や栄養素」ではないのでしょうか。
10月27日から11月9日までは「読書週間」です。
新聞各紙では、様々な出版物を取り上げたり、趣向を凝らす街の本屋さんを取り上げています。
「新聞命(しんぶんいのち)」の私としては、例年になく「読書週間」にまつわる紙面が
多彩のような気がします。(気のせいならお許し願います)
そう思うのは、消費増税に伴い取り入れられた軽減税率の対象に食品の他に、
唯一、例外的に「新聞」が加わったからでしょうか。
理由は「新聞は思索の食料や栄養源」だからそうです。
新聞は、毎日摂取する食料品の一つだということでヨーロッパではイギリスやデンマーク、
ノルウェー、ベルギーでも取り入れられているそうです。
米国、ドイツ、フランス、イタリアといった国では取り入れられていないかは別です。
「思索の食料」とはどう言うことか。脳みその栄養になるってことでしょう。
であれば、雑誌や一般書籍も対象ではと思うのですが、
如何にも官僚的こじつけで「週2回以上配達してもらうか定期購読を対象とする」と、
駅売やコンビニで買う新聞はダメ、週刊誌も月刊誌もダメと宅配の日刊紙
以外には通用しないタガを見事に嵌めています。
それっておかしいのではないか。と、誰でも思うのですが。
軽減税率の対象は「政治の力」で決まります。
新聞の持つ政治力が軽減税率の対象にしたことは間違いありません。
そのことに、賢明なる新聞社の編集局各位は気が咎めているのでしょう。
だから「読書週間」に多彩な紙面を割いて「本を読む」ことを勧めているのではと、
気のせいで思っています。
蛇足です。新聞が軽減税率の対象になって、
新聞購読者に歯止めが掛かったのでしょうか。
仄聞するに購読者の減少、緩やかになったとも聞かないのは何故でしょうか。
それはそれとして。
出版業界も「デジタル配信」に舵を切りつつありますが、
残念ですが、消費増税とは無関係に不況に変化はありません。
でもです。本を読まないのはダメです。
折角の人生です。人生の潤いを倍加させるのは、未知の世界へ導いてくれる本です。
何故秋に、本を読みなさいと「読書週間」を設けたのでしょうか。
もちろん、夜長を読書で過ごしてはとの「読書の勧め」ですが。
ルーツは唐の文学者・韓愈が息子に贈った詩の一節に、学問の尊さを説き、
秋になって涼しくなったら「燈火稍可親」(夜の灯りに親しんで書物を開きなさい)と
書いたからです。
この「燈火稍可親」が「灯火親しむべし」という漢語となり、
夏目漱石が新聞小説「三四郎」のなかで引用し、秋と読書のイメージが
多くの人に広まったといわれています。(にほんの365日を愛おしむから)
今更ですが。
新聞が消費税軽減税率の対象になったことで、国の恩恵を受けたことになります。
ペンが歪んだり曲がったりしないようにと願います。
なにはさて置き、軽減税率ではないですが、本は読もうではありませんか。Goto

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