首相の施政方針演説から見えてくるものは・・。
私が暇なんでしょうねぇ。20日に開会した通常国会、
安倍首相の施政方針演説の全文を新聞で読みました。
周りには忙しい人が多いせいか、尋ねても「俺も読んだ」という人がいません。
私が尊敬するメディア界の重鎮曰く「選挙の投票率はその国の安定度のバロメーター」
「投票率が低いのは無関心層が多いのだが、もう一方では民の不平や不満が少ない証左」
「高いのは後進国か、経済的に困窮している国だ」と。
乱暴だとは思うのですが理解できます。
ましてや、政治・経済が比較的安定している現状で、
首相の所信表明や施政方針に国民の関心が集まるなんてことは無理かも知れません。
しかし、国を動かすのは政治です。首相が今を如何に分析し、如何なる方針で
この国を導こうとしているのかを知ることは重要なことです。
令和最初の施政方針演説から見えてくる2020年を考えてみます。
冒頭に安倍政権誕生から7年余。「日本は『もう成長できない』といわれた
『諦めの壁』を打ち破ることができた」と高らかに宣言しています。
その中身は子育て支援、教育の無償化、働き方改革、
1億総活躍社会を目指して進んできたことだと。そうに違いありませんが、
では、地方創生はどうでしょうか。第一次産業の輸出は進みました。
しかし、地方の疲弊に歯止めがかからないどころか「諦めの壁」はますます高く堅固です。
1億総活躍社会のために「全世代的社会保障」の充実を訴えています。
高齢者から子どもまで全ての世代が安心して暮らせる社会づくりを進めているというが、
高齢者福祉の比重を大胆に減らすことができない限り、
全世代的な社会保障は絵に描いた餅と言わねばなりません。
働き方改革は「大企業の労働者」のための改革であって、中小零細企業に
当て嵌めれば嵌めるほどに経営者の負担が増え、倒産件数は過去最高に近づいています。
どこかで歯車が狂ったまま「働かない改革」となり、国力の低下を呼んでいます。
成長戦略は残念ながら、第三の矢は放たれず仕舞い。
デジタル時代の規制改革を進めると謳いあげていますが、
予算の配分にしても、規制の緩和にしても全てが中途半端です。
このままでは、デジタル時代の後進国になることは間違いありません。
多分ですが。安倍首相の理解の範疇を超えて時代が進んでしまっているからです。
などなど、施政方針演説から見えてくる2020年は、
五輪を思う存分に「楽しみ」ましょうという以外は、
7年間の安倍政治の焼き直しでしかありません。
率直に感じるのは、政権交代ではない、世代交代を強く印象付けたのではないかと
私には見えるのですが、如何でしょうか。
えっ。聞いていない。読んでいないからわからない、ですって。
それって「諦めの壁」ではないでしょうね。Goto
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