宮城まり子さんの死を悼む

私たちは無意識に差別を助長しているのではないでしょうか。
「こんな器で食事を食べさせるなんて」と学生食堂で首を傾げた。
「プラスチックの器具は割れませんので」と担当者は当惑顔。
「落として割れるから大切さがわかるのでは」とねむの木学園の宮城まり子さんは言った。
肢体不自由児養護施設の先駆けを創設した宮城さん。
障害がある子供達の福祉のために生涯をかけました。
彼女のことを多く語る必要はないでしょう。
「障害のある子もない子も教育を受け、愛されて当然。
誰もつくってくれないから、自分でつくろうと決心しました」
まだ、障害のある子どもへの福祉や教育に日が当たらない50年以上前の話です。
彼女の信念は「すべての子どもたちには可能性がある」です。
彼女が生涯をかけた「ねむの木学園」は絵画や音楽、工芸などを積極的に採り入れ、
多くの子どもたちの個性が開花しました。
今月16日。16年に発生した神奈川県相模原市にある障害者施設「津久井やまゆり園」で
起こった元施設員による「19人もの殺戮事件」の死刑判決がありました。
犯人が如何なる人物なのかは報道の範疇ですが
「障害者への根強い差別意識」が根底にあるようです。
人は何故人を差別するのか。怒りに打ち震えますが。
人類は未だにこの問題を解決する術を持ち合わせていません。
宮城まり子さんなら何と判断されるだろうか。コメントが欲しいところです。
東京五輪・パラリンピックは来年に延期されましたが
障害者アスリートが歯を食いしばってスポーツにチャレンジする姿は
障害者への差別意識を払拭できる一助になると信じます。
人が人を差別する権限など人にあろう筈はありません。
怖いのは無意識に差別を助長してしまうことです。
宮城まり子さんが大学の食堂で「壊れない食器」に疑問を呈した話を聞くと、
無意識は世の中の合理性と健常者の奢りにあるのではと思えてなりません。
自由奔放に生きてこそ「障害者への差別」の是正になる、と生涯をかけた
宮城まり子さんのご冥福を心よりお祈り致します。合掌。Goto

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