世論調査を力に変えることができるのは「メディア」です。
政府は緊急事態宣言を全国に拡大しました。
なぜ、4月7日に同時にやらなかったのか。その理由との整合性が見えません。
補正予算成立後、条件を付け30万円を支給するを組み替え、
全国民に一律10万円給付すると発表しました。
いとも簡単に覆します。有事です。改めるに憚ることなかれ。
日々刻々と変化している状況です。臨機応変に変えることも必要でしょう。
だったら、マスク2枚・466億円掛けて配る愚策はなぜ、止めないのか。
右往左往・支離滅裂・リーダー不在。なんとも心許ない日本丸です。
山本七平の著「帝王学」には人の上に立つとは如何なるかが書かれています。
その一節に、唐の時代を代表する名君と謳われた太宗の言行録、
「貞観政要」からの引用があります。
太宗は自らに「諫言」する「諌議大夫」をわざわざ設けたとあります。
諫言とは「目上の人の過失などを指摘して忠告すること」です。
権力者は、特に長期になったりしますと、取り巻きに自らの意に反する人物を
登用したがらなくなります。
そうなれば部下が「忖度」ばかりでご機嫌を取ります。周りが見えなくなりますね。
太宗は、そうなることを嫌ったのでしょう。だから、自ら「諫言」するための役職を設け、
物事が見えなくなることや奢ることを制度的に戒めたのですね。
山本七平さんはさすがですね。でないと、権力者は「裸の王様」になってしまいます。
私が誰のことを言おうとしているのか。もうお判りだと思います。
あまり下世話と申しますか、個人的な、或いは軽々な話は書きたくないのですが。
少なくとも、民主主義の国では一人ひとりの国民が「君主」です。
君主の声を代弁するのが、新聞メディアです。
緊急事態宣言を受けて新聞社が全国世論調査をした結果。
「宣言を出すのが遅すぎた」が80%。「休養要請に応じれば保障すべし」が83%
「一律給付にすべき」が60,9%。それにどっちでも良いのですが、
「マスクを配る必要なし」が76,2%。歌手の楽曲に動画投稿では炎上です。
施策や対策には批判がつきものです。しかし、どこかおかしいと思えて仕方がありません。
それって何だろうと考えてみますに、この人って、帝王学を学んでいないのではないか。
それが根底にあって「裸の王様」になっちゃったのではないでしょうか。
なぜ、そうなったのか。批判的なメディアは「安倍一強」への慢心が生み出した
独断がそうさせていると報じますが。私はそうは思えない。そもそも、
この国の君主が国民であることを理解できていないのではないでしょうか。
今、国民は生命の危機に怯えているのです。明日に絶望感を持っているのです。
安心感が欲しいのです。希望を見出したいのです。そのことが「読めない」のです。
いや、読む力がないのです。ですから、自分の信念がないので、側近のアイデアに
飛び付くのです。そもそもですが、帝王学を学んでいない宰相を持つことは悲劇です。
カトリック教会のトップとなる人物には、敢えてその人の問題点を指摘し
諌める役目を負った人「悪魔の代弁者」(列聖調査審問検事)を置きます。
欧米ではその流れを組んで「批判を職責」にする「組織で重要案件を決めるときに
批判役(レッドチーム)を任命」する仕組みがあるそうです。
あの乱暴な大統領を要する米国でも2001年の同時多発テロ事件で
事前に兆候を示す情報を掴みながら思い込みで無視した反省から
「悪魔の代弁者」を積極導入しているそうです。(毎日・火論)
日本は武士道の精神として、殿様に「諫言」する場合は「腹を切る覚悟」で
臨む風習があります。今、この国には彼に物言う「諌議太夫」がいない不幸な状態です。
みんな自分の身が可愛いのでしょうねぇ。
君主たる国民ができることは、「自分の身は自分で守る」ことと
自らが「悪魔の代弁者」となることしかないのです。
私はメディアの力に期待したい。Goto
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