地方分権の道は限りなく遠い・・・・
過去の実績に基づいて泉佐野市を除外した国の対応は「違法」なものである。
最高裁は国勝訴とした大阪高裁判決を棄却「国が恣意的に自治体に制裁を科すこと」に
重い警告を与えた。地方分権で国が制度の具体的運営を地方に委ねる状況が増える中、
ルールの設定のあり方が改めて問われることになった。
難しく言えば、こうなるのだが。
ふるさと納税は、2008年・・生まれ故郷を応援したい自治体に寄付すると
居住地の住民税などが控除される制度で当時の菅総務大臣肝煎りでスタートした。
豪華な返礼品で寄付を集める競争が過熱し過ぎたため、国は15年以降、
高額返礼品や商品券などを提供しないよう求める通知を出し、自治体に抑制を求めた。
泉佐野市は総務省の通知を無視、地方税法改正に伴い、
19年6月に「返礼品は寄付額の3割以下とし地場産業品に限る」との基準ができるまで
「アマゾンのギフト券」など豪華返礼品を提供し続けていた。
それに先立つ19年4月・総務省は「18年11月以降、改正の趣旨に反する方法で
多額の寄付金を集めた自治体は、制度から除外する」と告示した。
指示に従わなかった泉佐野市は、除外自治体となり「ふるさと納税」の制度を
利用できなくなった。
泉佐野市は国の地方係争処理委員会に審査を申し立てした。
係争委は泉佐野市の除外を再検討するよう国に勧告した。
国は勧告を無視して除外継続を決定した。
泉佐野市は大阪高裁に提訴したが大阪高裁は請求を棄却した。
泉佐野市は除外取り消しを求め最高裁に上告。泉佐野市の逆転勝訴となった。
こんな経緯で泉佐野市が勝訴したので「ふるさと納税制度」を活用できるようになるのだが。
最高裁が「総務省が法的な根拠なしに、新制度移行前の行動を理由に除外したことは
違法だと判断し、同省が作った基準の一部も無効とした」国の完敗なのだが・・・
さて、国と申しますか。総務省、即ち旧自治省はこの判決をどう受け止めるのか。
コロナ禍で、特別措置法の欠点が指摘され、知事の自主性や権限が問われている時でもある。
そもそも「ふるさと納税制度」は税制の根幹に触れる制度で政治主導で実施された。
財務省も反対している。となると、早晩、「ふるさと納税」という制度が各省の連携に
よって更なる規制がかけられ実質的に骨抜きにされるのではないか。
「返礼品は寄付額の3割・地場産業品に限る」が更に厳格になるということである。
「ふるさと納税」が「地方活性の起爆剤に」「自治体職員の活力に」「地方分権に」と
大いに期待したのだが・・・一見すると自治体の勝訴だが、地方分権の道は遠い。Goto
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