イージス・アショア配備撤廃に秋田魁新報が果たした役割・・
米国ではローカル新聞がなくなりつつあります。
地元紙のない地域では行政のチェック機能が働かなくなり、
おかしなところを誰も指摘しなくなっています。
それが、政治を歪め、行政を身勝手にさせる要因になっています。
民主主義を標榜する米国ですが、最近のアメリカファーストの動きも
根本は、ローカル新聞の消滅と関係があるのではないか。
昨今、日本でも地方紙の経営悪化が取り沙汰されています。
何としても維持してもらいたい、そのためには、「新聞命」の私としては
地方紙の必要性を訴えねばならないと決意を新たにしています。
秋田県の県紙・秋田魁新報の頑張りです。
陸上配備型迎撃ミサイル「イージス・アショア」の配備計画が撤廃されました。
河野防衛相が「安全性が担保されない」と撤廃を発表したのですが、
その背景のひとつに、防衛省の調査報告書の誤りを指摘した秋田魁新報の
粘り強いスクープがあります。詳細は説明しませんが・・・
取材にあたった記者たちがミサイル防衛の書籍を取り寄せ、ネットで防衛用語を調べ、
専門家の話を聞き、配備地となった秋田の現場を靴がすり減るまで歩き・・
もう一方では、二人しかいない東京支社の記者が国会での陸上イージスに
関する全ての質疑や資料を丁寧に読み込み「本当に必要があるのか」「秋田につくるのか」
という疑問に真摯に向き合い紙面化するという気の遠くなるような努力がありました。
これぞ、新聞魂・ジャーナリズムではないでしょうか。
さらには、全国紙の偏見に満ちた姿勢とは違い、はじめに賛成・反対ありきではない
スタンスを貫き、様々な意見や利害を掲載したことも、地方紙のひとつの姿ではないでしょか。
配備されたなら、将来何かあったとき、地元紙として配備される際にどんな記事を書いたのか
検証に耐えられる仕事をせねばとの、熱い思いが編集局内に充満していたと。
そんな雰囲気の中。防衛省の資料に「単純なミスだが決定的な間違い」を見つけた。
それが全国ニュースとなり、配備計画の正当性が問われることになった。
秋田県民の防衛に対する関心も高まり、意識が確実に変わったのは
まさしく新聞の力です。
それでも政府は米国との信義を守り、強引に配備計画を進めていたのですが。
ここが大問題だと思うのですが、全国紙は秋田魁新報の取材に冷ややかだった・・
でも、河野大臣の英断によって配備撤廃となったのだが、
私は秋田魁新報の取り組みを高く評価したいと思うし、地方紙なかりせば・・と
改めて感じます。
新聞を購読することは、民主主義を守ることであり、
私たちが健全に生きることのできる投資だと言うことを秋田魁新報は教えてくれました。
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