ジビエ料理の普及

こんなところにも縦割りの弊害があるんですね。
コロナ禍の影響は至るところに出ていますが、
その本質を考えて見る必要がありますね。
近年、ジビエ料理を出す飲食店が目に付くようになりました。
農水省によると、2018年度、野生動物による農作物の被害額計は約158億円。
そのうちニホンカモシカとイノシシによる被害が64%、その他はサル、クマの順です。
昨今、里山の高齢化により、耕作放棄地の増加やハンターの減少、地球温暖化による
積雪の減少など複数の要因でシカやイノシシが急激に数を増やしています。
環境省のまとめですが。17年度末時点でシカの本州以南の推定生息数は244万頭。
イノシシは80年代から増加傾向が続き、88万頭。生息域は36年間で1.7倍に拡大。
岐阜県では昨年、豚コレラの感染原因が野生イノシシにあるとして、
県下一斉に捕獲大作戦を展開、6千頭以上のイノシシが捕獲・処分されたが、
その繁殖は異常な増加です。
そんな背景があって。厚労省が死体の運搬や食肉処理、調理での適切な衛生管理法を
示したガイドラインを策定。18年には農水省が承認制度を創設し、承認を受けた施設では
品質が担保され、食用肉として提供されるようになりました。
シカやイノシシの肉は豚や鶏と比較して鉄分やビタミンなどが豊富に含まれることから
食材として扱うジビエ料理の飲食店が目に付くようなった要因です。
18年度の利用量は1383トンに上り、売上額も35億円を突破しました。
しかし、ジビエ食材は、一般家庭への普及はイマイチで、飲食店での利用が中心です。
でです。折角、鳥獣害の駆除になり農作物の被害を抑えることができるジビエ料理ですが、
コロナ禍です。農水省の調べでは全国の処理施設には在庫が山積み。
消費量は昨年の9割減と散々な状況だと。
そこで乗り出したのが、自衛隊の駐屯地での食料に使用してもらう案です。
駐屯地は地方にあり、地方の課題解決に貢献する意味でもジビエの利用は役立つからと。
でも、それでは限定的です。やはり本命は家庭でも簡単に食べれるレトルト食品などの
開発です。大手食品メーカーが乗り出してくれればと思うのですが。
コロナ禍の影響で、ジビエの消費が減少して、シカとイノシシが
大手を振って山里を闊歩する。ジビエだからではないが、なんとも皮肉なことです。
この解決ってどうすればよいのか。悩ましいですが、農水省、環境省、厚労省、
それに防衛省まで微妙に絡んでいる縦割りの弊害の解消からですかねぇ。
河野太郎行革大臣に期待します。Goto

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